「LINEはインフラ」「東南アジアに高クオリティな日本製ゲームを」――LINEのアプリ企業向けセミナー(2/2 ページ)
「圧倒的リーチを可能にするものがマスメディアだ」と語るLINE上級執行役員の田端氏は、国内で5000万以上のユーザーを抱えるLINEの活用事例を紹介した。
東南アジアではクレジットカードを使ってくれない
LINEのLINEゲーム戦略チームに所属する大塚純氏は、LINEゲームの世界展開をタイや台湾の事例を中心に紹介した。「LINEゲームは累計で57タイトルをリリースし、累計ダウンロード数は3億6000万を超えた。国内だけでなく東南アジアでもLINEゲームは人気で、特にタイと台湾での人気はすごい。『クッキーラン』はタイの“パズドラ”状態」と大塚氏は話す。
その理由の1つとして大塚氏は「LINE Store」の開設を挙げた。東南アジアではまだクレジットカードの普及率が低く、プリペイドカードを含めたWebストアの存在は幅広いユーザー層へリーチするためには効果的なのだという。
「ゲームは言語の壁を乗り越えやすく、全世界にアプローチしやすい」(大塚氏)という特徴がある。その中でも「アイテム課金制にしてダウンロードを無料にする、ソーシャル体験を重視する、iOSとAndroid OSで同時リリースする、あらゆるジャンルのゲームを出す、などが最低限守るべきこと」と大塚氏は述べた。「カジュアルゲームだけじゃない、日本が誇るクオリティの高いゲームを世界に展開するためにLINEというプラットフォームを活用してほしい」(大塚氏)と締めくくった。
LINEの「プラットフォーム化」をさらに加速
LINEの今後の展望を語るのは、LINE代表取締役COOの出澤剛氏。大塚氏の話を受け、「タイと台湾は本気で取り組めば十分利益を見込める市場だが、参入する日本企業はまだ少ないのが実情」と述べた。さらに、「今後は、世界での利用者拡大と、LINEユーザーが多い国でのサービスの多様化・プラットフォーム化を進めていく」と語った。
海外展開では、インドネシアではラマダーンのスタンプ、ブラジルでは「ナヨナヨして気持ち悪いという声があった」(出澤氏)というムーン(LINEスタンプのキャラクター)をマッチョにしたスタンプを配信するなど、単なるローカライズではないユニークな試みも行っている。
しばしば同じメッセンジャーアプリである「WhatsApp」と比較されることが多いというLINEだが、「WhatsAppは、コミュニケーションに特化し、非常にシンプルで機能的な第一世代のアプリで、LINEはゲームや無料通話、スタンプなどさまざまなことができるプラットフォームで、いわば第2世代。これは単なるポリシーの違いで、早くからプラットフォーム化に取り組んだのはLINEの強み」と出澤氏は説明した。
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