「Xperia Z2 SO-03F」を使っていて感じる“そこはかとない不満”:「Xperia Z2 SO-03F」ロードテスト 第5回
「Xperia Z2 SO-03F」を購入してから2カ月が経過した。カメラ、オーディオ、デザインなどとても満足しているが、重箱の隅をつつくと、けっこう不満点は多い。次期モデルで……というのは急すぎるので、長い目で見て改善してほしいポイントを挙げたい。
ディスプレイの発色が良くなり、カメラの画質も向上、音楽はデジタルノイズキャンセリングにも対応して音質もアップ、インサートモールディングで持ちやすさと高級感のバランスが絶妙に……などなど、個人的に2014年に発売されたスマートフォンの中でも「名機」と言っても差し支えない「Xperia Z2 SO-03F」。しかし、長く使うほどに不満に感じる部分も出てきたりする。今回は、そこはかとなく感じている不満点を挙げたい。
本体がよく熱くなる
Xperia Z2で数分間ブラウジングしたり、フルセグでテレビ番組を視聴したりすると、ほどなくして背面上部(カメラレンズの周り)が熱を帯びてくる。電源管理アプリ「Battery Mix」の温度を見ると40度を超えることが多く、実際に触れると明らかに熱い。「暖かい」ではなく「熱い」のだ。これはZ2に限ったことでなく、Xperia ZやZ1でも背面がよく熱くなっていた。
Xperia Z2はZ1の8.5ミリから8.2ミリに薄くなっている。これで防水にも対応しているのだから、熱がこもりやすくなるのは致し方ないが、やはり改善してほしいと思う。
ワンセグ/フルセグの視聴に外部アンテナが必要
ワンセグ/フルセグに対応しているだけでも良しとしたいが、やはり他メーカーのテレビアンテナ内蔵スマホを見ると、うらやましくなってしまう。イヤフォンを挿入すれば、これがアンテナ代わりになるので、外出先では不都合は感じないが、家族とのチャンネル争いに負けたときなど、自宅で使うときは、アンテナをスッと伸ばしてスマートにテレビを見たいものだ。
フルセグの録画ができない
これも他メーカーのフルセグ搭載機で、フルセグの録画ができるモデル(AQUOS ZETA SH-04FやARROWS NX F-05Fなど)があることを考えると、地味に残念。いざというときにスマホでテレビ番組を録画できるのは、何かと心強いものがある。
Xperia Z2では、フルセグ視聴中に録画をしようとすると、ワンセグに切り替わってしまう。また、テレビ番組を録画するにはmicroSDが必要になる。
Micro USB端子にキャップがある
これは防水とのトレードオフの部分もあるが、キャップレス防水スマホは増えているので、Xperiaもキャッチアップしてほしい。自宅では付属の卓上ホルダを使っているので問題ないが、オフィスや旅行先などで充電をするときや、PCとケーブルで接続する際はMicro USB端子のカバーを開閉する必要があるので、少々不便だ。
片手操作に適したUIが用意されていない
5.2型ディスプレイを搭載するXperia Z2の幅は約73ミリ。手の大きさにもよるだろうが、片手で操作をするにはちょっとつらいサイズだ。5型前後のディスプレイが主流になりつつある最近は、UI(ユーザーインタフェース)を片手用に最適化するよう工夫しているメーカーも多いが、Xperiaではそうした工夫が乏しい。
例えば画面全体を左右に寄せるのも1つの方法だが、Xperiaではそのような設定がない。画面全体の世界観を損なわせたくない……という考えが大きいのかもしれないが、であれば、(パナソニック モバイルのELUGAが採用していた)画面の真ん中あたりを上から下へスワイプしても、通知バーを下ろせるなど、見た目に影響のない範囲で操作性を改善させる工夫が欲しい。
ロック解除画面に任意のショートカットを設置できない
ロック画面のショートカット設定は、Androidでは多くの機種が採用していて、ロック解除とアプリの起動が同時にできるので重宝する。しかし、なぜかXperia Z2ではロック画面にアプリのショートカットを置けない。実はXperiaでもXperia NXなどかつてのモデルはロック画面のショートカットを設置できたが、Xperia Zシリーズをはじめ、最近のXperiaはそれができない。Android共通の仕様としてウィジェットの設定はできるほか、アプリのショートカットはカメラのみ用意されている。
もちろんこの手の設定はホームアプリを変えればカスタマイズできるが、Xperiaホームは対応していない。Xperiaホームを常用している人にはちょっと不便だ。
Xperiaホームに設置できるアプリの数が少ない
Xperia独自のホーム画面は以前から愛用しているが、1画面に設置できるアプリのショートカット数が少ないのが気になっている。Xperia Z2では画面下部に固定されるドックを除けば、縦と横にいずれも4つずつしかショートカットを設置できない。Xperia Z2よりも画面サイズの小さいiPhone 5sでさえ、ドック以外で4×5個のアプリを置ける。
先日公開された「Google Nowランチャー」を使ってから、なおさら「少ないな〜」と感じた。Google Nowランチャーも、ドック以外で設置できるショートカット数は4×4だが、画面上部にはGoogleの検索バーが固定されている。XperiaホームでGoogleの検索ウィジェットを設置すると、それで1行分を消費してしまうので、設置できるショートカットの数は3×4に減ってしまう。Xperia Z2はアプリアイコンも小さく余白が空いている。この余白がデザイン性を際立たせているのだとは思うが、やはり実用面を考えると不満に感じてしまう。
天気予報のグラフィックが物足りない
筆者がiPhoneやHTCスマホも使っているというのもあるだろうが、Xperiaでは以前から、オリジナルの天気アプリやグラフィックが採用されていないのが不満だった。Xperia Z2では「AccuWeather.com」の天気ウィジェットを採用しているが、iPhoneやHTCスマホほど凝ったアニメーションは見られない。専用の天気アプリも用意されておらず、もう少し天気を楽しませてほしいと思った。
まもなく次期Xperiaが発表される見込みだが、ここに挙げた中で改善されているものはあるのだろうか。Xperiaの世界観に関わる部分は簡単には変更できないだろうが、世界観と使いやすさのバランスをうまく取ってほしいと思う。
関連キーワード
Xperia | Xperia Z2 SO-03F | Xperia Z2 | ショートカット | Google | 天気 | ウィジェット | Google Now | ワンセグ | 防水 | HTC | Android 4.4 | ELUGA | ARROWS NX F-05F | iPhone 5s | ノイズキャンセリング | AQUOS ZETA SH-04F | Xperia NX SO-02D | ソニーモバイルコミュニケーションズ
関連記事
- 次は……「3」?:新型Xperiaが9月3日に発表?――ソニーモバイルが公式ブログでティーザー動画を公開
ソニーモバイルが、公式ブログで「It’s Time #XperiaDetails」と題した動画を公開している。9月5日に開催される「IFA 2014」での発表を予告したものだと思われる。 - 「Xperia Z2 SO-03F」ロードテスト 第4回:「Xperia Z2 SO-03F」を“Walkman”として使ってみて感じたこと
Xperia Z2はデジタルノイズキャンセリングやステレオスピーカーを搭載するなど、音楽機能が強化されている。これまでスマホをポータブルオーディオプレーヤーとして使い続けたことはないが、Xperia Z2ならイケるかも……と思い、使ってみた。 - 「Xperia Z2 SO-03F」ロードテスト 第3回:「POBox Plus」でプラスされたものと失ったもの
「Xperia Z2」の日本語入力システムは、「Xperia SO-01B」から続いていた「POBox Touch」から「POBox Plus」に変更された。使い勝手はどのように変わったのか。Z1の「POBox Touch 6.2」との比較も交えながらレビューした。 - 「Xperia Z2 SO-03F」ロードテスト 第2回:Z1から乗り換える価値あり? Xperia Z2を使って“進化”を感じた10のポイント
パッと見ただけでは変化の乏しいXperia Z1とZ2だが、Z2では何が変わったのだろうか。Z1から乗り換える価値はあるのか? 実際にZ2を使ってみて「ここは変わった!」と強く感じたポイントをピックアップした。 - 「Xperia Z2 SO-03F」ロードテスト 第1回:Xperia Z2のバッテリーはどれだけ持つ?――Z1と比較してみた
Xperia Z1よりもバッテリー容量が増え、ドコモ計測による「実使用時間」も向上しているXperia Z2。実際のスタミナはどうなのか? Z1と比較しながら計測してみた。 - 荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ:「Z1」から何が進化した? ソニー自慢の「Xperia Z2」カメラの実力を試す
Xperiaの特徴と言えば、ソニー独自の高性能なカメラ。「Z1」との進化点も見つつ、「Xperia Z2」のカメラ性能をじっくりとチェックしてみた。 - 開発陣に聞く「Xperia Z2 SO-03F」(3):目指したのは「原音に忠実な音」――「Xperia Z2」で進化したオーディオの秘密
「オーディオの進化」も、Xperia Z2で特筆すべきポイントだ。デジタルノイズキャンセリング、フロントステレオスピーカー、そして音質のチューニングなどについて聞いた。 - 開発陣に聞く「Xperia Z2 SO-03F」(2):静止画も動画も“思い出画質”に――「Xperia Z2」で進化したカメラの秘密
Xperia Z1のカメラはハードの進化がめざましかったが、Xperia Z2では4K動画の撮影が可能になり、静止画の画質も地道なチューニングによりブラッシュアップしている。Z2のインタビュー第2回ではカメラの秘密に迫った。 - 開発陣に聞く「Xperia Z2 SO-03F」(1):Z1とここまで違う――「Xperia Z2」の高剛性と軽量化を両立させた“新技術”)
Xperia Z2は、ガラスパネルと金属フレームを使ったデザインをZ1から継承しているが、Z2ではさらに一歩踏み込んだ工夫を施している。そこで大きなカギを握る手法とは? Xperia Z2のインタビュー第1回では、デザインと機構設計の裏話をお届けする。 - カメラも進化:4K動画撮影やノイズキャンセルに対応――ソニーの技術を結集させた「Xperia Z2 SO-03F」
カメラ、オーディオ、ディスプレイに注力したソニーモバイルのフラッグシップモデル「Xperia Z2」が、日本ではドコモから発売される。5.2型ディスプレイや、4K動画撮影対応の20.7メガピクセルカメラを搭載する。 - 持ちやすくて軽くなっています:写真で解説する「Xperia Z2 SO-03F」(外観編)
ソニーモバイルの2014年フラッグシップスマートフォン「Xperia Z2」からドコモから発売される。5月15日の発表会で短時間だが触ってきたので、まずは外観の見どころを紹介しよう。 - 料理もおいしく撮れます:写真で解説する「Xperia Z2 SO-03F」「Xperia ZL2 SOL25」(カメラ編)
Xperia Z1の「有効約2070万画素のCMOSセンサー」「Gレンズ」「BIONZ for mobile」をベースに、新たな動画と静止画の撮影機能を追加したXperia Z2とZL2のカメラ。ノイズ感やホワイトバランスも改善されているという。 - Z1から何が変わった?:写真で解説する「Xperia Z2 SO-03F」「Xperia ZL2 SOL25」(ソフトウェア編)
Xperia Z2とXperia ZL2は、カメラやオーディオ以外の細かなソフトウェアの部分でも着実に進化している。Xperia Z1にはない新たな機能を中心にチェックした。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.