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圧倒的な“実効速度”と“基地局数”、他社対抗は「徹底的に」――ソフトバンクがiPhone 6の販売戦略を説明日米定額も提供

ソフトバンクがiPhone 6/6 Plusの販売戦略を説明。どこよりもお得とするMNPと機種変施策や、圧倒的という4Gネットワーク、そして「アメリカ放題」などグループシナジーをアピールした。

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 ソフトバンクモバイルは9月17日、同日発表された「アメリカ放題」の詳細とともに、「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」の購入者向けキャンペーンや対応ネットワークの説明を行なった。最新の端末をできるだけ安く提供する販売施策に加え、圧倒的とうたう高速通信網、そしていち早くiPhoneを販売してきたサービス体制の充実ぶりなど、トータルでの競争優位性を訴えた。

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ソフトバンクモバイル代表取締役副社長兼COOの宮内謙氏

他社はまねできない日米定額の「アメリカ放題」

 アメリカ放題は、ソフトバンク傘下となった米Sprintの通信網を活用した定額制の国際ローミングサービス。開始時点の対象機種は同社のiPhone 6/6 Plusに限られるが、米国本土やハワイに渡航した際の通話とメール(米国から日本および米国内)とデータ通信が実質無料で利用できる。

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「アメリカ放題」

 月額料金は980円(税別)に設定されているものの、当面はキャンペーンとして0円で提供(時期未定)。キャンペーン終了後も新料金プランの「スマ放題」と「データ定額パック」の5Gバイト以上に加入していれば無料とし、将来的にホワイトプランで使い続ける場合に限って月額料金が発生する。

 ソフトバンクモバイル代表取締役副社長兼COOの宮内謙氏は、「(日米で開発したシャープ製スマホの)『AQUOS Crystal』に続く、Sprintとのシナジー第2弾。日本国内で提供している通話やデータの定額と同じ様に、米国から日本、あるいは米国内の通話やメール、データ通信が無料になり安心してお使い頂ける」とアピールした。

photophoto 米国でも日本と同じ様な定額での通話とデータ通信を提供する

 ソフトバンクモバイルは現在、AT&TとT-Mobile(3Gのみ)による国際ローミングサービスを行なっているが、こちらは引き続き提供する。その場合の料金は従来通りで、データ通信の場合は1日1980円〜2980円の「海外パケットし放題」が適用される。今回のアメリカ放題は端末の国際ローミング時のデータ利用設定を“オフ”にしても使えるなど、渡航前や渡航後の設定変更が不要で利用できる。さらに通話もデータも定額料金で利用できるなど、国内と変わらない使い勝手なのが特徴だ。

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1日1980円〜2980円の「海外パケットし放題」

 「スマートフォンでよく使うブラウザやYouTubeを海外で使うと、すぐに高額な通信料が発生する。LINEやSkypeなどの無料通話アプリもデータ通信には変わりなく、海外で使うにはまだまだ高額だ。アメリカ放題なら、スマホユーザーが習慣的に使うアプリやサービスを我慢することなく利用できる」(宮内氏)

 なお、アラスカとモンタナ、グアム、サイパンなどがアメリカ放題の対応エリアになっていないが、それ以外の米国領を99%近くカバーしているという。またサービス開始から2〜3カ月間は3G(CDMA2000)のみでの利用になり、年内をめどにLTEへ対応させる予定だ。

 アメリカ放題の対応機種が現時点でiPhone 6/6 Plusだけなのは、2社の通信規格をサポートするのがこの2機種に限られるため。Sprintは3GでCDMA2000を利用し、ソフトバンクはW-CDMAを利用している。さらにLTEだけでなくTD-LTEも使った4Gの速度を生かすためにも、iPhone 6/6 Plusからの対応になったという。宮内氏は「これから開発するモデルへの対応は今後検討する」と述べ、対応端末の拡大を示唆した。

加熱する販売競争には「速攻で、徹底的に対抗する」

 ソフトバンクモバイルはiPhone 6/6 Plusの発売に合わせて、従来の機種変更時の端末下取りに加え、番号ポータビリティ(MNP)で乗り換える他社ユーザーの端末下取りも開始する。それには、iPhoneシリーズだけでなくGALAXY S5やXperia Z2/ZL 2も含まれた。

photophoto MNP利用者向けの「のりかえ下取りプログラム」

 他社端末の下取りはドコモが「iPhone 5s」「iPhone 5c」発売時に始めた他社対抗策だが、今年は下取り額をアップするなど攻勢を強めた。ソフトバンクも下取り額を最大4万3200円へ引き上げ、他社の乗り換え優遇策と比較してもソフトバンクのMNP/機種変更向けキャンペーンのほうがお得であるとアピールする。

photophoto 機種変更利用者向けの「タダで機種変更キャンペーン」

 「当初、他社端末の買い取りまでは考えていなかった」と明かした宮内氏は、「他社がアグレッシブな動きを見せるなら対抗せざるを得ない。ソフトバンクは6年前からiPhoneを販売しているが、ドコモさんはそのユーザーをターゲットにしてきた。それならば、我々も(ドコモやauの)GALAXYを下取り対象にするなど、速攻で対抗する」と説明。下取りによる過度なキャッシュバック競争は「快適な通信を平等に利用してもらうためには避けたい」としつつも、「ビジネスなので、コンペティター(競争相手)が仕掛ければ徹底的にやる」というスタンスだ。

 同社が下取りした端末は、グループ企業で端末卸売り大手のBrightstarへと販売される。Brightstarは端末を再整備(リファービッシュ)した上で、東南アジアやアフリカなどの新興国向けに出荷する。宮内氏は「これも1つのグループシナジーだ」と述べ、下取り端末の整備・流通ルートを自前で持っているメリットを強調した。

実効速度と基地局数は「他社を圧倒」

 ネットワークについては、パケットと通話の接続率が1位であることを改めて紹介した。通信速度については理論値ではなく実効速度で判断すべきとし、「これは総務省の方針とも一致する。400万件のビックデータから分析した3社の実効速度は、ソフトバンクが下り12.71Mbps/上りが6.99Mbpsでナンバーワンだ」と胸を張った。このデータは他キャリア向けにも提供しているアプリやポータルサイトの天気予報サービスなどから測定したもので、述べ件数は月に10億を超えるという。

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ナンバーワンをうたう実効速度

 ソフトバンクモバイルは4G網として、FDD-LTEに加えて、TD-LTEと100%互換性のあるWireless City Planning(WCP)のAXGPを「SoftBank 4G」として展開。“Hybrid 4G LTE”としてAndroidスマートフォン向けに提供している。そしてiPhone 6/6 Plusは国内向けモデルもTD-LTEに対応したため、ソフトバンクモバイル版のiPhone 6/6 PlusはSoftBank 4G(AXGP)が利用可能だ。

photophoto 2つのLTE方式を合わせた基地局数も圧倒的とする
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インフラ面での優位性をアピールした

 TD-LTEについてはKDDI(au)版のiPhone 6/6 Plusも、傘下のUQコミュニケーションズが提供する「WiMAX 2+」を利用できる。宮内氏はSoftBank 4G(AXGP)の基地局数が約5.2万局に上る一方、WiMAX 2+の基地局数が約1万局にとどまるとして、「TD-LTEについてはソフトバンクが圧倒的」と説明。また下り最大100Mbps以上に対応する基地局についても、「FDD-LTE対応局とTD-LTE互換局を合わせるとソフトバンクが6万7000局で圧倒的な数になる」と、同社の優位性を訴えた。

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ソフトバンクは3つので調査で顧客満足度1位を獲得している

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