暗い場所で明るく撮れる? 料理はおいしそう?――「ZenFone 2」のカメラを試す:「ZenFone 2」レビュー(3)
「ZenFone 2」のカメラではどんなことができるのか。基本機能や操作性を確認したほか、前モデルの「ZenFone 5」や、Xperia Z3/iPhone 6も交えて画質をチェックした。
「ZenFone 2」はメインカメラが1300万画素、インカメラが500万画素であり、前モデルの「ZenFone 5」のメイン800万画素/イン200万画素から大きくスペックアップしている。メインカメラについてはF2.0の明るいレンズと、ASUS独自のPixelMaster技術により、同社は暗い場所や逆光などのシーンでも明るくキレイに写せると訴求している。
操作法や撮影機能をチェック
ではさっそくカメラを起動してみる。カメラの起動は、
- カメラアプリを選ぶ
- ロック画面でカメラアイコンに触れてスワイプする
- スリープ時に背面のボリュームキー(上下どちらでもよい)を2回押す
という方法がある。ボリュームキーから起動可能にするには、「設定」→「ロックスクリーン」から「インスタントカメラ」をオンにしておく必要がある。ただこのインスタントカメラ、筆者のボタンの押し方が悪いのか、何度か起動しないことがあった。確実に起動させるのなら、ロック画面のショートカットを利用した方がよさそうだ。
スナップをバシバシ撮るのなら、撮影モードは初期から設定されている「オート」のままでいいだろう。画面をタップするとフォーカスロックされ、長押しすると露出とホワイトバランスも固定される。露出、ホワイトバランス、ISO感度は手動でも調整できる。細かいところでは、サブメニューの「最適化」を「マニュアル」にすれば、彩度、コントラスト、鮮明度、ノイズ削減、逆光、細部強調なども調整できるが、よほどこだわりがなければ、オートのままでも問題ないだろう。
撮影サイズは2M(16:9)、3M(4:3)、4M(16:9)、5M(4:3)、6M(16:9)、10M(16:9)、13M(4:3)から細かく選べる。動画撮影は640×480、1280×720、1920×1080ピクセルの3つで、4K動画の撮影はサポートしていない。静止画と動画ともに電子式手ブレ補正には対応しているが、光学式手ブレ補正には対応していない。
ZenFone 2はカメラ専用のキーは備えていないので、シャッターはカメラアイコンを押すか、ボリュームキーを押す形となる。ただし、ボリュームキーは背面にあるので縦向きに持っているときは押しやすいが、横向きでは押しにくい(ボリュームキーにはズームを割り当てることもできる)。「タッチシャッター」をオンにしておけば、画面をタップするだけでピント合わせからシャッターまでを行える。撮影画面には静止画と動画撮影のアイコンが並び、動画を撮影しながら静止画を撮ることもできる。
静止画の撮影モードは「オート」のほかに、シャッタースピードやマニュアルフォーカスの設定も手動で行える「マニュアル撮影」、複数の写真を合成して白飛びや黒つぶれなどを抑えてくれる「HDR」、近くの被写体にピントを合わせて背景をボカして撮れる「単焦点」、ズームして撮った被写体も鮮明に記録してくれる「超解像度」、メインカメラが顔を検知して1〜4人の撮影をできる「自分撮り」、撮影前後4秒間の中でベストショットを記録できる「タイムシフト撮影」などを用意している。
お遊び系では、さまざまな効果を付けて撮影できる「エフェクト撮影」、連写してアニメーションを作成してくれる「GIFアニメーション」、指定したエリア以外をボカしてコントラスト高めな1枚に仕上げる「ミニチュア」、写真を5枚撮って動いているものを削除してくれる「スマートリムーブ」などもある。
「ローライト」で明るく撮影、フォトライトは輝度がアップ
夜景をキレイに撮れる「夜景」や光の少ないシーンでも明るく撮れる「ローライト」など、ZenFone 5同様に暗い場所を想定した撮影機能も豊富だ。ローライトでは撮影サイズが3Mに固定される。また、背面にはフォトライト2つの「デュアルカラーLEDフラッシュ」を装備しており、自然な明るさと色味を再現できるよう、周囲の明るさに合わせて発光レベルを自動調整してくれる。
さて、低照度のシーンで明るく撮れる機種といえば「Xperia Z3」や「Xperia Z4」。というわけで光の少ない場所(ドアから光が少し差し込む程度の寝室)でZenFone 2とXperia Z3でぬいぐるみを撮り比べてみた。ZenFone 2は、さすがにオートで撮影するとかなり暗い写りになってしまったが、ローライトだとXperia Z3に迫る明るさになった。ただし解像度が強制的に3Mになるのと、手ブレ補正がやや弱いためか、写真を拡大するとディテールはXperia Z3の方が鮮明なのが分かる。それでも、ここまでの明るさを得られるのは、十分実用的だろう。今回はかなり厳しい条件での撮影だったが、薄暗い店内などで撮影する程度なら問題なさそうだ。
フォトライトも使って撮影してみた。距離が近いためか、ZenFone 2の方がぬいぐるみの色がやや飛んでしまっているが、不自然というレベルではない。
料理写真は“こってり”した印象に
料理の写真はどんな感じか。前モデル「ZenFone 5」のカメラとも比較してみた。以下はいずれもオートで撮影したもの。ZenFone 5の方が本来の色に近い印象で、ZenFone 2はこってりと赤みがかかっている。最初のカレー+ナンの写真は、ZenFone 2の方が自然かつおいしそうに見えるが、そのほかの絵は、こってりしすぎな感も。特に4つ目のステーキ丼は、白いどんぶりが黄色くなっていて、やや不自然。このあたりは好みの問題でもあるが、ZenFone 5から大きく絵作りが変わっているのは確かだ。
次回はインカメラについてレビューする。また荻窪圭氏による詳細レビューも予定しているのでお楽しみに。
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