UQ mobile/mineoは本家auより速い?――「格安SIM」の実効速度を比較(au回線7月編):通信速度定点観測(2/2 ページ)
格安SIMを選ぶうえで料金と並んで重要な「通信速度」。本企画では主要な格安SIMサービスの通信速度を月に1回、横並びで比較する。今回はドコモ回線に続きau系MVNOを使ったサービスの測定結果を紹介しよう。
正午のアイティメディア社内ではau(LTE NET)が33Mbps
最後に東京都内のアイティメディア社内(会議室)で正午(12時46分〜12時57分)に測定した。
最速は本家・au(LTE NET)で下り平均33.47Mbps。横浜での結果と比べると物足りないが、前回のドコモ系MVNOでは最速で29.8Mbpsだから、30Mbps台でもauの方が実測は速かったことになる。またドコモ、auどちらのテストでもいえるが、ネットワークが混雑しやすい時間帯は、やはり“本家(ドコモとau)”が強い。
一方のMVNOの2サービスは差を空けられてしまった。UQ mobileは下り7.37Mbpsなので使用上は問題なさそうだが、mineoは下り0.93Mbpsと、ここでも1Mbpsすら切ってしまった。また3サービスとも上りの通信速度はさらに落ち、それぞれ2Mbps台と3G並みだった。
計測開始時刻 | 下り平均(Mbps) | 上り平均(Mbps) | |
---|---|---|---|
UQ mobile | 12:56 | 7.37 | 2.76 |
mineo | 12:51 | 0.93 | 2.52 |
au(LTE NET) | 12:46 | 33.47 | 2.33 |
7月はau(LTE NET)とUQ mobileが強い
終始、素晴らしい測定値だったのが本家・au(LTE NET)。多少の速度の違いはあるものの、場所や時間を問わず数10Mbps台とは心強い。高額な通信料を支払う意義はありそうだ。
そして意外だったのがUQ mobile。アイティメディアでの計測こそ落ち着いた数字だったが、本家に匹敵する通信速度で、混雑に強いことが示された。この2サービスが今後も好調を維持できるのか気になるところだ。
mineoはネットワークの利用が少ない午前中は一気に通信速度が出たが、周辺が混雑する時間帯には途端に速度が落ちる。ある意味MVNOらしい品質ともいえる。ほかの2サービスと比べ通信速度だけなら見劣りするが、これだけ特徴が分かりやすいと、使っているユーザーも気をつけやすいだろう。
ドコモ系MVNOとKDDI系MVNOを比較すると、下りは得意なKDDI系だが、上りは苦手のようだ。上りはドコモ系MVNOが10Mbps超えを連発していたのに対し、KDDI系MVNOは最大でも5.93Mbpsだ。ただしドコモ系は上り0Mbps台、1Mbps台と極端に遅いときがあったのに対し、au系は遅くとも上り2.33Mbpsで、大きな変動はなかった。この「安定感」は、KDDI系MVNOの魅力といえそうだ。
7月の測定結果から、各サービスの傾向を述べると以下のようになる。
- UQ mobile……都内がちょっと苦手だけど横浜は高速
- mineo……正午と夕方、混雑が苦手
- au(LTE NET)……いつでも速いが、上りがちょっと苦手?
3サービスだけとはいえ、ドコモ系と同じくKDDI系MVNOでも速度が出やすい時間帯と場所がある。この傾向が次回以降も続くのか、違う場所でも通用するのかは分からないものの、興味深い結果といえるだろう。
今回の測定結果はあくまで参考データの1つとして役立てていただき、ほかのさまざまな情報も踏まえて、より良いMVNOを選んでほしい。
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