「Android 7.0 Nougat」リリース、新機能をおさらい
Googleが、「Android 7.0 Nougat」のNexus端末へのアップデートをローリングアウトした。アップデートで使えるようになる主な新機能を紹介する。マルチ画面やホーム画面の通知からの直接返信、「マルチロケール」、「画面ズーム」などだ。
米Googleは8月22日(現地時間)、新モバイルOS「Android 7.0 Nougat」のNexus端末でのアップデートをローリングアウトしたと発表した。
全アップデート対象端末(Nexus 6、Nexus 5X、Nexus 6P、Nexus 9、Nexus Player、Pixel C、Android One)にOTA(Over The Air)でのアップデートが行き渡るには数週間掛かるが、ここで主に一般ユーザー向けの新機能を紹介しておく。
画面を2分割して2つのアプリを表示するマルチタスク機能
見た目で最もインパクトがあるのが、このマルチタスク機能ではないだろうか。端末の画面を2つに分割し、例えば上の画面に旅行先のYouTube動画を、下の画面に検索画面を表示できる。YouTubeの動画を再生しながら、関連情報を検索したり、1つの画面で起動するアプリを切り替えたりすることも可能だ。2つの画面の表示幅も調整できる。
柔軟性の高まった「クイック設定」
画面を上からスワイプすると表示される「クイック設定」の機能も向上した。
まず、クイック設定をカスタマイズできるようになった。自分で使わない項目を削除したり、使う頻度の高い項目をタップしやすい場所に移動したり、新たに項目を追加したりできる。
また、画面のほとんどを覆うクイック設定ではなく、短いバー状で開くこともできるようになった。短いバーを表示するにはロックされていない画面で上から下に1回スワイプする。パネル全体を表示するには2本の指で1回下にスワイプするか、2回スワイプする(画面がロックされている場合は1回スワイプ)。
通知のグループ化や直接リアクション
ロック画面に表示されるプッシュ通知の機能も向上した。例えば、Twitterでフォローしている複数のユーザーによる更新の通知など、同じアプリから複数の通知がある場合はグループ化して表示され、それをタップすると個別の通知を表示できる。
また、メッセンジャーアプリなどからの通知に対し、通知をタップすることで、アプリを起動せずにその場で返信できる。
省電力モード「Doze」の改善
「Doze」(うたた寝、という意味)は、Android 6.0 Marshmallowから提供されている省電力モード。スリープ中あるいは非アクティブ状態でのバッテリー消費を、バックグラウンド通信などを停止することなどで抑える機能だ。
Android 7.0 Nougatでは、端末をロックするとすぐにDozeモードに切り替わるようになった。また、これまでは机の上などに置いた場合にDozeモードになったが、ポケットやバッグに入れて移動(=静止していない)していてもロック状態であればDozeモードが有効になる。
データ通信節約機能「Data Saver」
「Data Saver」を有効にしておくと、データ通信量を抑制できる。Twitterやメーラーなどのバックグラウンドでの更新チェックのための通信が完全に停止し、Web閲覧などの操作で発生する通信も最小限になるという、格安SIMユーザーには特に嬉しい機能だ。
Data Saverを有効にするには、[設定]→[データ使用量]→[Data Saver]でOnに切り替える。
Data Saverが有効になっていても、Wi-Fi接続時にはバックグラウンド通信が行われる。また、Data Saver有効時でもバックグラウンド通信を続けたいアプリを個別に指定することも可能だ。
バイリンガルユーザーに嬉しい“マルチロケール”
「Multi Locale」機能は、複数の言語を優先順位をつけて設定しておける機能。Android端末ではこれまでも設定で使用言語を切り替えられたが、例えば日本語と英語とロシア語を設定しておくと、検索結果に日本語だけでなく、英語やロシア語の情報も表示される。また、英語のサイトを自動的に日本語に翻訳しようとしなくなる。
設定するには、[設定]→[言語と入力]→[言語]で言語を追加するだけ。優先順位も変更できる。
文字やアイコンの表示サイズを調整できる「画面のズーム」
小さいディスプレイの端末ユーザー(や老眼で小さな字がつらいユーザー)にとって朗報なのは「画面のズーム」機能だろう。これまでもChromeブラウザでの表示を拡大することなどはできたが、Screen Zoomではホーム画面のアイコンまで拡大できる。
表示サイズを変えるには、[設定]→[ディスプレイ]→[ディスプレイサイズ]で、5段階で調整できる。また、調整できる項目は、メッセージング、アプリ一覧、設定の3つに分かれている。
従来のフォントサイズの変更とは異なり、表示されるアイコンのサイズなども変わる。
アップデートがChromeのようにバックグラウンドに
システムアップデートが、デスクトップ版Chromeブラウザのアップデートのようにバックグラウンドでダウンロードされるようになる。これにより、再起動するだけで最新システムを使える。ただし、この機能はAndroid 7.0 Nougatがプリインストールされた端末でのみ有効。
セキュリティ機能
ファイルベースの暗号化、「ダイレクトブート」などのセキュリティ機能も追加された。
ダイレクトブートは、端末に電源を入れて、まだロックを解除していない状態でも、アラームやSMSなどのアプリを実行できるようにする機能。詳細はこちら。
Android 7.0 NougatはVR(仮想現実)の「DayDream」もサポートするが、これは同OS搭載の新モデルのみ。新端末は早ければ9月初旬に登場する。GoogleはAndroid 7.0 Nougatの公式サイトで、LG Electronicsの「V20」を“最初のNougat端末”として紹介している。
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