「mineo(Dプラン)」「FREETEL SIM」「楽天モバイル」が強みを発揮――「格安SIM」19サービスの実効速度を比較(ドコモ回線1月編):通信速度定点観測(2/2 ページ)
格安SIMを選ぶうえで料金と並んで重要な「通信速度」。2015年7月から続けている本企画では主要な格安SIMサービスの通信速度を月に1回、横並びで比較する。今回は2017年1月のドコモ回線を使ったサービスの測定結果を紹介しよう。
平日夕方のMVNOは楽天モバイルが好調
横浜駅夕方18時からの測定も27日(金)に行った。1月の週末ということもあって、まだ新年会が多いらしく、グループでの待ち合わせが多い。暖かいこともあって家路に急ぐ人も少ないのだろう。時間がたつにつれどんどん人が増え、駅前は非常に混雑している。この人出を見れば、ランチタイム以上に通信は混雑していそうだ。
下り平均で0Mbps台は6サービス。前回は2サービスだったので一気に増えたが、ランチタイムほどではない。なお0 SIMはここでも測定不能だった。
下りの速度1位はドコモ本家の「mopera U」で18.08Mbps。混雑時にはやっぱり強い。ただし前回2位のときは28Mbps台で、速度は落ちている。
2位には楽天モバイルが頑張っている。下り13.58Mbps。前回も3位で夕方にとくに強い傾向がある。
3位にはやはり混雑時に安定感が目立つFREETEL SIMで5.25Mbps。10Mbpsを切ってはいるものの上位にくるのはさすが。
4位に前回1位のLINEモバイル。夕方に強い傾向があったが、ちょっと順位を落とした。速度も前回は37Mbpsだが、今回は急落し3.64Mbps。5位以下は2〜1Mbps台。やはり混雑が影響しているのか全体的に通信速度が落ちている。
ワーストワンは測定不能の0 SIMとして、次に遅いのがU-mobile PREMIUMの下り平均0.59Mbps、そして下り平均0.63Mbpsで「OCNモバイルONE」、さらにnuroモバイルが下り平均0.68Mbps。nuro勢(0 SIMもだ)は夕方が苦手?
上りの速度を見ると、こちらは10Mbps前後が多い。1位はロケットモバイル、2位がb-mobile(おかわりSIM)、3位がmineo(Dプラン)、4位がDMM mobile、5位がnuroモバイルで、いずれも12Mbps台を記録した。
上りのワーストは0 SIM以外では、今回も上りが弱いmopera U。ワーストツーで上り4.53Mbps。OCN モバイル ONEがワーストスリーで上り6.77MbpsとNTTグループが並ぶ。速度はそれなりに維持されているので、実使用面では問題ないだろう。
計測開始時刻 | 下り平均(Mbps) | 上り平均(Mbps) | |
---|---|---|---|
IIJmio | 18:09 | 1.76 | 8.5 |
OCN モバイル ONE | 18:09 | 0.63 | 6.77 |
BIGLOBE SIM | 18:13 | 0.94 | 9.56 |
b-mobile(おかわりSIM) | 18:13 | 1.78 | 12.41 |
LINEモバイル | 18:17 | 3.64 | 7.43 |
楽天モバイル | 18:17 | 13.58 | 7.76 |
NifMo | 18:20 | 1.18 | 9.24 |
FREETEL SIM | 18:20 | 5.25 | 8.75 |
ロケットモバイル | 18:24 | 0.69 | 12.69 |
U-mobile PREMIUM | 18:24 | 0.59 | 11.9 |
DMM mobile | 18:27 | 2.28 | 12.08 |
Wonderlink(LTE I) | 18:30 | 1.96 | 8.33 |
mineo(Dプラン) | 18:30 | 1.11 | 12.32 |
Wonderlink(LTE F) | 18:33 | 1.96 | 8.33 |
0 SIM | 18:33 | 0 | 0 |
DTI SIM | 18:36 | 2.67 | 9.5 |
イオンモバイル | 18:36 | 2.12 | 6.81 |
エキサイトモバイル | 18:39 | 2.34 | 11.29 |
nuroモバイル | 18:39 | 0.68 | 12.07 |
ドコモ(mopera U) | 18:27 | 18.08 | 4.53 |
1月はLINEモバイルの勢いに陰り 有力MVNOが存在感を示す
前回12月まではMVNO勢ではLINEモバイルの快進撃が続いていたが、今回はその勢いに陰りが見える展開。ユーザー数が増えたからか? それとも一時的なものか。
各テストのMVNO勢のトップを見ると午前中はmineo(Dプラン)、ランチタイムはFREETEL SIM、夕方は楽天モバイルが好調で、有力MVNOが再び存在感を見せている。
またドコモ本家のmopera Uは、下りの通信が依然速く、混雑時のランチタイム、夕方にMVNOを抑えて1位になり、今回はさらに午前中でも2位につけており、‟下り最強”の状態。ただ、夕方に上りの速度でワーストとなっているので、完璧とはいえない。
新たに測定を開始したnuroモバイルは好調なスタートといえる。派手さはないが安定した速度を出している印象だ。今後強みを伸ばしていくのか、全体的に底堅いサービスとなるのか、楽しみだ。
全体的には26日(木)午前中の速度は非常に伸びたものの、27日(金)に測定したランチタイム、夕方の速度はかなり落ちている。週末の金曜日、気温の上昇など、人々が活動的になり通信も混雑したのかもしれない。
各サービスの傾向をまとめると以下の通り。
- IIJmio……昼時、上りはやや苦手
- OCN モバイル ONE……混雑時と上りは低調
- BIGLOBE SIM……朝に強い
- b-mobile(おかわりSIM)……昼時は苦手
- LINEモバイル……朝が得意で底堅い
- 楽天モバイル……夕方得意で底堅い
- NifMo……朝に強い
- FREETEL SIM……混雑時得意で安定感あり
- ロケットモバイル……朝と上りが得意
- U-mobile PREMIUM……朝と上りが得意
- DMM mobile……朝、夕、上りが得意
- Wonderlink(LTE Iシリーズ)……昼以外は底堅い
- mineo(Dプラン)……朝に極めて強い
- Wonderlink(LTE Fシリーズ)……実は常に底堅い
- 0 SIM……測定不能が続き、厳しい状況
- DTI SIM……常に底堅い
- イオンモバイル……意外と底堅い
- エキサイトモバイル……これまた底堅い
- nuroモバイル……夕方の下り以外は安定
- ドコモ(mopera U)……速いが、夕方上りが弱点
0 SIMは最近速度測定の成績が遅かったので不安はあったが、2回のテストでエラー、測定不能になってしまった。データ通信が500MB未満まで0円なのは確かに魅力だが、ここまで速度が出ないと、サブ回線で使うのもつらそうだ。
今回の測定結果はあくまで参考データの1つとして役立てていただき、他のさまざまな情報も踏まえて、より良いMVNOを選んでほしい。
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