とにかくすごい! 「Lightroom for iPhone」のHDR撮影を試してみる【追記あり】:荻窪圭のiPhoneカメラ講座(2/2 ページ)
Adobeの写真アプリ「Adobe Photoshop Lightroom」にモバイル版があるのはご存じだろうか? そのモバイル版に、2017年3月のバージョンアップでHDR撮影機能が実装された。これがとにかくすごいので、紹介するのである。
逆光下の撮影でこそ「真価」を発揮するHDR撮影
LR mobileのHDR撮影機能は、逆光時に使うと超強力である。実際に撮影した写真を並べてみたのでどうぞ。
HDRで撮った方は、(左の家の屋根の向こうに沈もうとしている)太陽がある辺りの白飛びが抑えられていて、電線や屋上のテレビ用アンテナもしっかり写っている上、影になっている地面も明るくしっかり撮れている。
iPhone……に限らず、スマホのカメラや廉価なコンパクトデジタルカメラは、強い(極端な)明暗差のある状況に弱い。LR mobileのHDR撮影機能は、その弱点を補ってくれるのだ。
一方、そんなに極端な逆光じゃなくても、HDR撮影機能は役に立つ。一見、極端な明暗差がないシーンでも撮ってみると差が出ることがあるのだ。
後ろの社殿の屋根を見ると、HDR撮影時と通常撮影時の違いがハッキリ分かる。HDRで撮った方は、単にHDR化するだけではなくて、自動的に他の補正もかけて写真をクッキリとさせてくれるのだ。
HDR撮影は、屋内撮影でも役に立つことがある。
窓のある部屋で室内も屋外も同時に撮りたい時に、室内に露出(写真の明るさと思って良い)を合わせると、窓の外は室内に比べて明るすぎるので「真っ白」になってしまう。逆に、屋外に露出を合わせると、室内は「暗く」なってしまう。どちらにしても、人間が目で見た印象、あるいは思い通りには撮れないのだ。
LR mobileのHDR撮影なら、そこを何とかしてしまう。試しに、トンネル的な場所(具体的には橋の下の暗きょ)で撮ってみた。
iPhone 7 Plusの標準カメラと、そのHDR撮影機能、そしてLR mobileのHDR撮影を使って撮影したものを3枚連続でどうぞ(そのままだとファイルサイズが大きすぎるので、全部スクリーンショットになっております)。
これだけのクオリティの差があったら、多少処理に時間がかかるにしても使いたくなるでしょう。
このLR mobileは、もともとはRAWファイルの現像ソフト(JPEG画像も編集できます念のため)なので、色や明るさを調整する機能に長けているわけで、その場でザザっと編集して仕上げて出力するのもアリだ。
そして、最後にカメラロールへの書き出し。LR mobileで撮った写真は専用のライブラリに保存されるため、iPhone版(とiPad版)において他のアプリで使いたい場合はカメラロールへ書き出さねばならないのだ。
面倒かもしれないが、実際に使う写真だけを書き出せばいいのでカメラロールがあふれることもなく、個人的にはうれしい。
てなわけで、「Adobe Photoshop Lightroom for iPhone」はAdobeに縁が無い人でも一度使ってみるべきカメラアプリに進化したのである。
すごいもんですな。
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