「Xは8の倍」「7+8+X=大幅増」――ソフトバンクのiPhoneの売れ行き
ハイエンドな「iPhone X」の発売時期がずれたことにより、2017年のiPhone商戦は従来とは異なる様相を呈している。日本でいち早くiPhoneの販売を始めたソフトバンクではどうだったのだろうか。
ソフトバンクグループは11月6日、2017年度第2四半期の連結決算を公表した。その説明会において、傘下のソフトバンクにおける「iPhone X」の売れ行きについて孫正義社長と宮内謙副社長(ソフトバンク社長を兼務)が言及する場面があった。
ソフトバンク(旧・ソフトバンクモバイル)といえば、日本で初めてiPhoneを取り扱ったキャリアであり、ユーザーのiPhone比率も高いと言われている。発売時期が2つに分散した、2017年の新型iPhoneの売れ行きはどうだったのだろうか。
この記事では、ソフトバンクに関連する質疑を抜粋してお伝えする。
―― 11月3日にiPhone Xが発売されたが、反響はどうか。今年(2017年)は例年にない3モデル構成(iPhone 8/8 Plus/X)だったが、去年(2016年)と比べて売れ行きがどうなのかという点も合わせてうかがえればと思う。
孫社長 非常に伸びたと考えている。(iPhone Xは)一瞬で売り切れてしまって、Appleには早くたくさん供給してほしいという状況にある。詳細については、国内通信事業を担当している宮内(副社長)から話をする。
宮内副社長 iPhone Xは非常に順調な滑り出しだ。(初動は)iPhone 8の倍ぐらいの勢いがあるが、供給がそこまで追いついていない。iPhone 7、iPhone 8、iPhone Xの3つ(のシリーズ)を合算すると、立ちあげ段階としては去年比で大幅増となっていると思う。
―― 主要回線の純増において、比率としては(サブブランドの)Y!mobileが高いのか。
(筆者注:主要回線は、ソフトバンクブランドとY!mobileブランドの携帯電話回線を指し、携帯電話回線を利用した固定電話サービス「おうちのでんわ」を含む)
宮内副社長 純増において、スマートフォンが伸びている。Y!mobileブランドは皆さんご存じのように伸びているが、ソフトバンクブランドも去年からやっている大容量プランの「ギガモンスター」がジワジワとヒットして伸びてきている。
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