「料金プラン」「ZTE問題」「楽天」「ブロッキング」――KDDI決算説明会 一問一答(2/3 ページ)
KDDIが2017年度の通期決算を公表した。高橋誠社長が就任してから始めて行われた決算説明会における質疑応答の模様を簡単にまとめる。
米国商務省による中国ZTEへの制裁措置について
―― 中国ZTEが米国商務省から米国企業との取り引きを禁じる命令を受けた(参考記事)。auでも影響は出ているか。
高橋社長 苦慮はしている。影響の出うる端末としては「PHOTO-U」「mamorino4」「mamorino Watch」や、法人向けの「Speed USB STICK U03」が挙げられる。
幸いなことに、弊社では(ZTE製の)スマホは扱っていないのでホッとはしている。(取扱中の他の端末については)在庫を確認しながら販売を継続する。
サポート面でも、現状では(取り扱い端末で)ソフトウェア更新が必要なものはなく大きな影響はないが、今後はZTEから情報を得ながら対応していきたい。
楽天の新規参入について
―― 楽天の(携帯電話事業への)新規参入について、一言いただきたい。
高橋社長 必ず質問が来るだろうと思っていた(笑)。正直にいうと、競争相手が増えることについてあまり良い気はしない。
しかし、私自身はもともと「競争論者」。今も昔も、この業界は競争が良いサービスを作ってきたし、私もこの業界に入って「チャレンジャー」としてやってきた。そういう意味では楽天は良い参入者であると思っている。
ただ、楽天(楽天モバイルネットワーク)に割り当てられた周波数は(上下それぞれ)20MHz幅で、特に下りの通信速度において制限がある。また、今まで通信事業に携わってきた経験からすると「6000億円」という設備投資額はちょっと少ないかな、とも感じる。「競争者」として入ってくる以上は、設備をしっかりと整えていくことは“責務”。(報道関係者の)皆さんも、しっかりと見守っていただけたらと思う。
我々は「通信からライフデザイン」に進出したが、社内からは「やっぱり通信だよね!」という声も多く上がった。しかし、新しい競争相手(楽天)は「Eコマースから通信」にやってきた。ライバルがやってくる以上、「通信からライフデザイン」という方向性がある意味で正当化されたともいえる。ただし、コマース(を含むライフデザイン)に“シフト”するのではなく、あくまでも通信を主軸とすることには変わりない(参考記事)。
いずれにしても、新たな競争者が出てくるので、迎え撃つ準備は進めたい。
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