全面刷新の「iPad mini」を試す iPhone 13並みの性能と5G対応がうれしい(3/3 ページ)
フルモデルチェンジを果たしたiPad miniだが、サイズ感は従来モデルと同じでタブレットとしては非常にコンパクトだ。iPhone 13シリーズと同じ「A15 Bionic」を搭載しておりパフォーマンスも十分。5Gに対応したこともうれしい進化といえる。
超広角のインカメラや「センターフレーム」が便利、5Gの通信も快適だ
解像度やフレームレートの高い動画ファイルやゲームなどのアプリを扱っていると、どうしても通信量が増してしまいがちだが、それをサポートするのが5Gだ。5Gに対応したiPadは、12.9型、11型のiPad Proに続いて3機種目。無印のiPadやiPad Airよりも早く5Gをサポートした点には、驚きがあった。日本では、ドコモ、KDDI、ソフトバンクがiPad miniを取り扱っており、それぞれの5Gもサポートする。
ただし、楽天モバイルに関しては、残念ながらiPad miniを販売していない。こうした事情もあってか、楽天モバイルのeSIMプロファイルをセットしても、5Gを設定するメニューが現れなかった。とはいえ、4Gまでなら問題なく利用できる。同社の5Gエリアは他社に比べるとまだまだ見劣りするため、現状では非対応でも大きな問題はない。一方で、iPad miniにも5G接続時にFaceTimeや動画の画質を上げる機能が搭載されている。こうした恩恵を受けられないのは、少々残念だ。
もう1つの新機能が、「センターフレーム」への対応だ。センターフレームとは、インカメラに映ったユーザーを自動的に追尾してフレーム内に収める機能のこと。4月に発売されたiPad Proから搭載が始まったが、早くもiPad miniで利用できるようになった。超広角のインカメラを使い、ユーザーが写っている部分を中心に自動でズームするというのが基本的な仕組み。人物の認識には、Appleが得意とするオンデバイスの機械学習が用いられている。
筆者もiPad Proでセンターフレームを使っているが、姿勢を多少崩してもカメラが自動で追従してくれるおかげで、本体の位置をズラす必要がなく、ビデオ会議に集中できる。一方で、それ以前のクセが抜けきらないこともあり、ついつい本体を動かしてしまうことも。便利な機能なのは事実だが、ユーザー側がセンターフレームの仕組みに慣れる必要もある。
実際、インカメラがどの程度広角かというと、ご覧の通り。自撮りだと、腕が不自然に長く見えてしまうほどで、3〜4人程度のグループ撮影にも利用できる。ただしこの画角だと、1人でのセルフィーが撮りにくい。そのため、カメラアプリを立ち上げた際には、ちょうど1人分の顔が入るよう、ズームされた状態になっている。超広角カメラの画角をそのまま生かしたいときに、拡大ボタンをタップする仕組みだ。
このように第6世代のiPad miniは、1世代前の第5世代と比べ、進化している点が非常に多い。持ち運びやすさはそのままにフルモデルチェンジを果たし、パフォーマンスも大きく上がっている。持ち運ぶ機会が多く、外での利用頻度が高くなりそうなだけに、5Gに対応したのもうれしい進化といえる。スマートフォンと比べると画面サイズが大きいだけに、特にiPhone 13 miniのような小型端末と一緒に持つと相性はよさそうだ。
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