「iPhone 13 Pro」のカメラは総合的にピカイチ 気になる「マクロ機能」や「フォトグラフスタイル」もチェック(4/4 ページ)
新型iPhoneが出たらやること、それはカメラレビューだ。「iPhone 13 Pro」のカメラはデザインこそ「iPhone 12 Pro」を引き継いでいて変わり栄えしないように思えるが、センサーが変わっていたり、気になる機能が追加されていたりと、いろいろ遊べるのである。
「フォトグラフスタイル」で自分好みの画づくりを
iPhone 13で新しく「フォトグラフスタイル」が追加された。まあ分かりにくいのだけど、人にはそれぞれ好きな写真のスタイルってあるわけで、自分好みのスタイルで撮れるようにしましょう、というもの。
その際に調整できるのは「トーン」と「暖かみ」の2つで、むやみにいじると写真全体が不自然になるので、肌色の色調など重要なところは維持しつつ、コンピュテーショナルフォトグラフィーパワーを駆使して「お望み通りいい感じに仕上げます」……って何言ってるかよくわかんないけど、あなた好みのスタイル(クールな感じが好きとか、階調は柔らかめが好きとか)を作ってそれで撮りましょう、という機能なのだ。
設定するにはフレームが3枚重なったアイコンをタップ。
すると、4つのプリセットされたパターンが出てきて、それぞれ「トーン」と「暖かみ」を調整できる。
1つ目のプリセットは「リッチなコントラスト」。デフォルトは「トーンが-50」だけど分かりやすいよう「-100」まで思い切り振ってみた。
その逆が「鮮やか」(なんだけど日本語の「鮮やか」だとちょっとイメージしづらいかも)。こちらもデフォルトは「トーンが50」なんだけど、「+100」まで思い切り振ってみた。
さらに「鮮やか&クール」にしてみたのがこちら。
では本番。この日は厚い雲がたちこめていて、それを生かそうと「トーンを-100、暖かさを-100」にしてクールでドラマチックなスタイルにしてみた。雲のコントラストを強めに出し、クールにすることで寂寞(せきばく)感を出したかったのだ。こういうカットには超広角が似合う。
フォトグラフスタイルが目立つ位置におさまったことで、今までの「フィルター効果」はどうなったのか、というと、画面の外に追いやられちゃいましたが残ってます。右の方に。
ナイトモードで望遠カメラも使えるように
静止画シリーズ最後のネタはナイトモード。
iPhone 12では超広角カメラと広角カメラでナイトモードが使えたが、望遠カメラでは使えなかった(望遠時は広角カメラのデジタルズームでナイトモードという仕様だった)。iPhone 13 Proでは3倍の望遠カメラでもそのままナイトモードが使える。
さすがに手ブレには注意だが、これで「超広角でも広角でも望遠でも、マクロ撮影から夜景まで分け隔てなく撮れる」ようになったのである。こんなのも手持ちで撮れちゃうんだから面白い。
超広角や広角カメラでのナイトモードは相変わらず優秀で、カメラ自体の高感度性能がちょっと上がった分画質が良くなっている。強い点光源があるときのゴーストは出るけど、ゴーストやフレアに関してはいろんなシチュエーションで試してからにしたい。
とまあ、カメラがでかくなった分のメリットがなかったらどうしようと思ってはいたのだけど、全体として信頼感が増したなあというか、普通にカメラとして使える範囲が広くなって素晴らしい。
一番うれしいのはどんなシーンにも対応するようになったこと。マクロ撮影ができるとかどのカメラを選んでもナイトモードが使えるとか、ポートレートモードのクオリティーが上がって安心して使えるっていう「総合力」ではピカイチだと思う。
細かいところはいろんな撮影条件で撮ってみないと断言できないけど(ここんとこ天候に恵まれなかったし)、今のところかなりイケてると思う。さらに面白いのが「シネマティックモード」なのだけど、原稿が長くなったので別稿で。
モデル:長谷川実沙
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