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iPhone 13シリーズの「シネマティックモード」が予想以上に面白かったのである(2/2 ページ)

カメラ性能に引き続き、「iPhone 13」シリーズで新たに追加された「シネマティック」モードを使ってみる。これが予想以上に面白く、「ポートレート」モードと同様の仕組みで動画を撮影、しかも撮影後にフォーカスを変えられるというものなのだ。

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編集後にフォーカスやぼかし量も変えられるのだ

 編集時のぼかし具合や、ぼかす対象を変更できるのもウリの1つだ。うまくいかなかったらここでぼかす具合をゼロに、つまりF値を16にすればごまかせる。

 ポートレートモードはぼかし具合を変えることはできてもフォーカスする被写体は変えられないから、なんかシネマティックすごい。では先ほどの「電車を撮っていたのに邪魔された」動画で試してみよう。

 写真アプリで「編集」をタップすると、シネマティックのフォーカスポイントを編集できる。指でスライドしながら丹念に見ていくと、この「服の端っこが見えた」瞬間にフォーカスが電車から人物に写ったことが分かる。すごいね。

iPhone 13 Pro
ここでフレームインした服の端っこを捉えている。シネマティック賢すぎ

 そこでここで背景の電車をタップ。

iPhone 13 Pro
背景の電車をタップして、フォーカスはそっちに合わせろーと指定してやると、ピントを奪われなくなる

 こんな感じでチェックしながらフォーカス位置を指定し直していくと、背景にフォーカスが合い続ける動画に直せるわけである。ただし、あまりに小さな被写体だとうまく合わないので注意。

 また、絞り値を「F2.8」から「F16」にするとパンフォーカス状態(つまりシネマティックな処理をしていない状態)になる。逆に「F2.0」にするとボケる範囲が広くなる。

iPhone 13 Pro
被写界深度(つまりピントの合う深さ)をF16にすると手前にも奥にもピントが合うようになる。つまりはシネマティックを使わないときと同じだ

 現在、シネマティックで撮った動画に対してこのような編集をできるアプリは「写真」アプリと「iMovie」のみ。サードパーティーのアプリが対応するとまた面白いことになりそうだ。

iPhone 13 Pro
iMovieで編集中。シネマティックにも対応している

 PC上の動画編集アプリに関しては、macOSではあるが「iMovie」と「Final Cut Pro」が対応予定だそうである。そうなるとまた面白くなる。「シネマティック」が「ビデオ」とは別モードになっていることで、凝った映像を撮りたいときに使うもの、ってイメージになるかもしれないけど、日常的に使ってもめちゃ面白い。

 撮影時の手ブレ補正もよく効くし、使う側が何も指定しなくても、ほぼほぼ撮りたいものにフォーカスを合わせてくれるし、その気になればあとからいくらか修正できるし。しかもシネマティックはiPhone 13シリーズの4機種全部で使えることと、インカメラ(FaceTimeカメラ)でも使えるのがいい。

iPhone 13 Pro
インカメラでシネマティックした動画を写真アプリで再生中。ちゃんと背景がボケているし被写体のセレクトも賢い

 新機能って、一部の人しか喜ばなかったり、最初は面白がって使っても多くの人は飽きちゃったりってことがあるけれども、シネマティックは定着しそうな気がする。

 なお、シネマティック利用時は「1920×1080ピクセルの30fps」に固定される。個人的には「シネマ」というくらいだから「24fps」固定にしても面白かったのに、とは思うけど。でもって4Kには現在のところ未対応なので(A16 BionicとかA17 Bionicの時代にはいけるかも)、動画は4Kだぜって人は要注意だ。

 シネマティックモードだとどういう振る舞いをして、どんな動画を撮れるのかをあれこれ見てきた。面白いのでiPhone 13を買った方、特に撮りたい人やペットがいる人は挑戦すべし。

モデル:長谷川実沙

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