News | 2002年12月5日 05:08 PM 更新 |
「0.65がいいのか、それともソニーさんたちの考えがいいのか。もしかしたら、別の考えもあるのかという議論をしました。結論は、顧客が最大のメリットを受けるようにしようと。それから、どうしたらROMとRとRAMが1つのセットでできるかという議論をしたわけです」(福地氏)。
結果的にNECが導き出した答えは、東芝との共同提案を行った「0.65」の規格である。「ふと見たら、東芝もNECと同じで、0.6/0.65ぐらいと0.85の両方でやっていた。そこで、東芝と話をして、共同で(フォーラム)に提案するということになった」(福地氏)。
ではなぜ対物レンズの開口数は「0.65」だったのか。
「0.65と0.85のどちらがいいのかを考えたとき、容量的には、0.65が20Gバイトぐらい、0.85のBlu-rayが25Gバイトぐらいと、そんなに変わらない。しかし0.85では、パソコンで使おうと考えたときに、ベアディスクでやるのは自信がありませんでした。貴重なデータですから、ごみや指紋などによってそれが書けなくなり、パーになったら、それは、メーカーの責任問題。これは、大きな問題でしょう」(福地氏)。
もう1点、パソコンという市場を考えた場合、ノートパソコンという市場がさらに拡大するという点が重要なポイントとなったという。
「これから、ノートパソコンはますます主流になってくる。となると薄型のドライブが必要。先ほど言った信頼性を確保しながら、カートリッジレスにする必要がでてくるわけです。しかも、従来のディスクと当然互換を取る必要がでてくる。(Blu-rayのように)ヘッドとディスクの間が0.1ミリぐらいでは、容量を上げるのに問題がある。それなら、従来同様にもっと上げて、ギャップをとったテクノロジーでやればいいんじゃないのかという話になった」(福地氏)。
もちろん、NECが0.65を採用したのには、従来のDVDとの互換性を取ることで得られるメリットがあったことは言うまでもない。「顧客も満足するし、私たちも技術的に面白い。顧客を支えるコンテンツメーカー、メディアメーカーも、あまり製造設備投資することなく従来の延長線上できるというメリットも得られる」(福地氏)。
NECと東芝が共同提案した0.65の対物レンズを採用した規格は、「Advanced Optical Disc(仮称)」と呼ばれ、現在、技術の確認が終わり、具体的な規格策定へと動き出している。順調に行けば、来年夏ぐらいには、規格化が終了する予定である。
NECでは規格化が終了すれば、「パソコン向けのドライブを製造し、それを使用したOEMビジネスを展開する予定」(福地氏)。その際の商品戦略として「DVDは当然読める必要があるだろう」と話していた。
[北川達也, ITmedia]
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