っぽいかもしれない
巨体がうなるぞ、ドアとるぞ。その名は「援竜」(3/3 ページ)
今回のデモでは、両手を使った作業というのがなかった。左手で押さえておいて右手で引っ張るとか、倒れてくる壁を左手で押さえながら右手で作業するとか、そういう生々しいのがちょっと見たかった。これは、操縦者がまだ熟練していない(4時間くらいしか練習していないらしい)のが大きな理由で、ハードウェア的にはできるはずだそうだ。
実はデモの途中で、引きちぎった自動車の扉が右手に引っかかっちゃって、なかなかとれないという状況があったのだ。手首あたりに張り付いたガムテープを右手だけで剥がそうとしているみたいで、見ていてむずむずした。なんで左手使わないのか? どうやら操縦者が思いつかなかった、らしい。
また、T-52の手首は、いまのところひねることができない。だから、両手をそれぞれ上下に開くということができない。パイプを曲げたりするのは難しそうだ。蝶々結びも無理だ。
マスタースレーブには、同じ姿勢を保持するというのが難しいという弱点がある。人間はどうしても動いちゃうのだ。また、肩と肘を固定したまま、手先だけ動かすというのも難しい*3。そこで、T-52のマニピュレータは各関節を物理的にロックできるようになっている。ほんとに油圧でロックしてしまうので、手を上げた状態で固定しても疲れない。ただ、このロックのスイッチ(バルブ?)が手の甲のあたりに並んでいて、あんまり直感的じゃない。
また、T-52は今でも乗り込んでコックピットから操縦できるのだけど、このときには2つのジョイスティックを使うようになっている。これもダブルスタンダードでなんだか気持ちが悪い。
操作系を担当なさっている京都大学大学院工学研究科の横小路泰義助教授に、伺ってみた。
マニュピュレータの操作性については(さっきのフォースフィードバックも含めて)まだまだ研究中だそうだ。また、乗り込んでもマスタースレーブにはしたいのだそうだ。ただ、コックピットは狭い。狭いところで腕を振り回すわけにはいかない。じゃあどうしよう……というあたりを考えているんだそうだ。身体をちょっとだけ動かせばいい方法はないか、小さな人形を作ってそれを動かせばいいのかとか*4。
なお、テムザックや消防関係者、研究機関、自治体などからなる「防災ロボット開発委員会」では、このような大型レスキューロボットの操作免許証を作ることを考えている。免許証そのものがICカードになっていて、免許証とパスワードとがないと、動かすことができないようにするのだ。たしかに、このあたりはとても大事だ。レスキューロボットは、犯罪にも使いやすいものなのである。
*3床屋さんならできそうだ
*4なんにしても、こんな大きな研究道具ができたので、とてもうれしそうである。うらやましい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
Anthropic、「Claude Opus 5」公開 Fable 5に迫る性能を半額で――サイバー安全策は緩和、拒否時は自動フォールバックも
-
3
「iPhone高騰」はこれからも続く? 中国CXMTに近づくApple、メモリ競合へのけん制が不発に終わりそうなワケ【後編】
-
4
「ニューロマンサー」実写ドラマ、Apple TV+で2027年1月配信開始へ
-
5
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
6
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
7
海外の新作バカゲー「電車アタック」にマンガ家が感心した理由 ブッ飛んだ内容と完成度の高さ、そして“日本”
-
8
「めっちゃカメレオン」公式Discord乗っ取り 担当者PCがマルウェア感染、管理者が全員BANに 現在は復旧
-
9
暑さ対策が熱い! 「猛暑対策展」で感じた、転んでもただでは起き上がらない日本人のエネルギー
-
10
スーパーに並んだ「ごちゃごちゃ生成AIポップ」が物議 “看板王”こと、きぬた歯科院長「これはアリ」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR