チップベースのセキュリティ機能が新たな隙間市場に(1/2 ページ)
かつて純然たるビジネス向けデスクトップ機能だった「Trusted Platform Modules」(TPM)が急速に広まる兆しを見せている――向こう2~3年の間にコンシューマーPC、サーバ、そしておそらく携帯電話にも普及する見込みだ。
このチップは、ハードウェア内にパスワードまたは暗号鍵を格納する小さな“金庫”として機能し、PCをハッキングされにくくする。1999年にIBMから初めて提供されて以来、ビジネス指向のデスクトップとノートPC上で利用可能になっている。
その後幾つかの進展があり、現在TPMは普及に向けた適切な環境を整えつつあるとみられている。
状況が好転した要素としては、モジュールコストの低下と優れたソフトウェア開発の促進を助けたオープンTPM仕様の策定、MicrosoftがWindows Vistaのセキュリティ機能としてTPMモジュールの採用を決定したこと、企業ユーザーやコンシューマー間のデータセキュリティに対する危機意識の高まりなどがある。
「企業であれ、eBayで何か購入しようとするエンドユーザーであれ、今日、誰もがセキュリティの問題に直面している」と、Gatewayの製品マーケティング担当副社長、ウィリアム・デイル氏は語る。
デイル氏によれば、この市場は「TPM 1.2を含む適切な仕様とコストがそろった認知度の変曲点」に達し、「向こう2年間で本格的に普及するだろう」。
今週初め、TPMをインストールしたビジネス向けデスクトップ/ノートPCの最新の動きとして、Gatewayから新製品が登場した。世界最大規模のPCメーカーDellならびにHewlett-Packard、今年初めIBMのPC部門を買収したLenovo Group、そして富士通シーメンスと東芝の各社もTPM搭載PCを出している。
PCメーカー各社による幅広い採用も手伝って、TPM出荷量は2005年の約2000万個から2010年には2億5000万個を超えて急増する見込みだと、IDCは最近の調査で予測している。
Endpoint Technologies Associatesのロジャー・ケイ社長は、「TPMが重要である理由は、これが合意に基づく共通規格であり、この先業界に取り入れられる技術だからだ」と話している。Endpoint創設以前にIDCのアナリストを務めたことのある同氏は、先のIDC調査を手掛けた人物。
将来的にTPMはPC以外でも採用されることになる。最近ではサーバでも採用され始めており、ログインの保護、データの暗号化、個人取引の保護に役立っている、とTrusted Computing Group(TCG)のマーケティングワーククグループ会長、ブライアン・バーガー氏。
115人の会員で構成されるTCGは、コンピュータ業界向けにTPM仕様を策定するセキュリティ標準化団体。サーバ向けTPM仕様を約1カ月前にリリースした。
この仕様は、「サーバ上のデータ保護、あるいはサーバへのアクセス周辺で、かなり興味深い働きをし始める」とバーガー氏。TPMをマシンに追加すると「そのサーバのルート証明となる」という。
IBMの広報担当によれば、同社では既に、IntelプロセッサとIBMの独自チップセットを搭載した「xSeries 366」および「同460」サーバモデルでTPMを採用、出荷を開始した。
Gatewayを含むそのほかのメーカーもこの動きに大きく出遅れることはなさそうだ。「当社も今後この方向に進んでいくことに、(顧客は)大いに期待していて欲しい」とGatewayのデイル氏は話している。
TCGではこのほか携帯電話などのハンドヘルドデバイスやコンピュータ周辺機器に挿入可能なTPMモジュールの仕様にも取り組んでいる。
これは現行のものとは別の仕様で、企業ネットワークへのアクセスを保護したり、電子商取引を行う際にも有用となる。さらに別個の周辺機器向け仕様は、キーボードなどのデバイスによる入力を保護するものになるとバーガー氏は説明している。
ソフトウェアベースの仕様もTCGからリリースされており、その1つが「Trusted Network Connect」と呼ばれるTPMサポート型ネットワークセキュリティ仕様だ。
Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
なぜ酒蔵の許諾なしに? 「VTuberコラボ日本酒」騒動、主催者が経緯説明 仲介者による調整で「準備進んでいると認識」
-
2
かっぱ寿司「配布前のコラボグッズ、フリマで買わないで」 プリキュアコラボ発表日に注意喚起
-
3
「食事量は1日1200kcal以下、でも肥満」な人を14日間追跡調査 痩せない理由は……米コロンビア大などの研究
-
4
本物そっくり“AI生成レシート“が経費精算の脅威に マネフォ「自力で見破るのは難しい」 企業はどう備える?
-
5
「菜の花がおかしい」――イラストレーター制作うたうマラソン大会ポスターに指摘相次ぐ 事務局がAI使用明かす【訂正あり】
-
6
「ペンギンを返して」→「3匹全部採用して」 批判殺到のSuica新キャラ、ファンアートが空気を変えた? SNSの声
-
7
幻の「ちいかわ」コラボ第3弾皿、捨てちゃうの? くら寿司に聞いてみた
-
8
「ペンギンを返して」 Suica新キャラ候補3案公開でSNSに戸惑いの声 一般投票は8日から
-
9
早すぎる 「めっちゃカメレオン」Switch 2版、即日10万本突破
-
10
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR