Google Videoにブーイングの嵐
ある観測筋が最近指摘したように、米Googleは最先端サービスの開発に関して、「魔法の妖精の粉を失ってしまった」という見方が大勢を占めつつある。
駄作の最新例はビデオダウンロードストア「Google Video」だ。このサービスは先週Googleから鳴り物入りで発表されたが、それ以来同社の最大の支持者の一部からさんざんに酷評されている。
否定的なレビューが1月10日に多数発表されたが、共通して指摘されていたのは、同社の失敗はGoogle Videoだけに限らないという点だ。批判者は、むしろこのサービスは、新しい試みをことごとく成功させてきたGoogleの力がうまく働かなくなっていることを示唆する最近増えてきた失敗の1つであり、このことはGoogleのみならず、同社の投資家や、家や職場で同社のサービスを利用している人々にとって懸念材料だと考えている。
「どういうわけか、人々はGoogleが、iPodのように衝撃的な、同社に対する既成概念を一変させるようなことをやってのけていくという期待を持ち続けている」とアンドリュー・グッドマン氏は検索エンジンに関するブログ「Traffick」で書いている。「Googleには優れた力量があるのだろうか。あるのかもしれないが、新しいGoogle Video Storeはまったくなっていない」
駄作はもとより、普通レベルのサービスでも、Googleファンにはなじめない。ネット検索最大手のGoogleは、過去10年にわたって驚くほどユニークな機能を提供し続け、それらの機能は登場するとすぐにライバル会社に追随されてきた。
同社の最初のイノベーションは、使いやすいすっきりしたデザインの検索エンジンだった。そのルック&フィールは登場当時は斬新なものだった。
それから10年間、市場を揺るがすサービスがGoogle Labsから泉のように次々と生み出されてきた。ほとんど毎週のように、AdSenseやGoogle Mapsのような新サービスが登場するかのような勢いだった。AdSenseはGoogleの画期的なWebサイト広告掲載システムで、Google Mapsはユニークな操作性を提供し、ほかのサイトが取り込むことも可能なオンライン地図だ。
だがこの1年くらいの間に、ありきたりのサービスや、質の低いサービスまでもが提供されるようになった。一部の技術者は、Googleは昨年、IMサービスのGoogle Talkを発表した時から先進性を失い始めたと見ている。
Google Talkは、使いやすいのは確かだ。だが、膨大なPCデスクトップで使われるに至っているYahoo!やMicrosoftのインターネット部門MSN、America Online(AOL)が提供する主流のIMサービスと比べると、まったく平凡だと、Searchenginewatch.comのゲーリー・プライス氏をはじめ多くの批判者が述べている。
そして今回登場したGoogle Videoは、さらにお粗末なようだ。批判者は多くの問題点を指摘している。
ビデオの選択肢が限られており、ダウンロードの帯域が狭いほか、ユーザーインタフェースが不安定だという。また、ダウンロードプロセス全体の最初のステップであるアカウント認証ができないという問題も浮上している。
おそらく最も重大な問題は、Googleが採用しているビデオの著作権保護手段が明らかに旧式なことだろうと、Searchenginewatch.comのプライス氏は語る。新たに判明した詳細な情報によれば、販売サービスが開始されたばかりのGoogle Videoのビデオの著作権保護には、プロプライエタリなビデオプレーヤーとユーザー名/パスワードシステムが使われている。
問題が何であれ、Google Videoがかなりひどい印象を与えているのは確かだ。
「これは私の思い過ごしなのか。それとも、Googleが初めてリリースした、まったく駄目なサービスなのか」とデーブ・ペル氏は自身のブログ「Daventics」で書いている。
こうした批判に対し、Googleの広報担当者はeWEEKへの電子メールで次のように述べている。「われわれは常に、開発のできるだけ早い段階でサービスをリリースし、ユーザーのフィードバックに基づく反復型開発プロセスを迅速に進めていきます。われわれはユーザーのフィードバックを大いに歓迎しており、ユーザーにとって最高の検索体験を構築することに全力を注いでいます」
Googleは見事な手腕を再び発揮しなければならない。さもなければ、同社が大手IT企業の一角を占め、ソフト最大手のMicrosoftと張り合うまでに成長する支えとなってきた競争上の大きな強みが失われかねない。
「Googleの魅力の1つは、彼らのサービスはどれもβ段階でリリースされてきたが、その多くは既にわくわくさせるものだったことだ」と、Technoratiで人気のブログ「Techdirt」への投稿で「Mike」氏は述べている。
「このことを踏まえると、Google Videoの初期レビュー(主にGoogleシンパの人々の)を見て回った結果から考えられるのは、何かがまったくうまくいっていないということだ」(同氏)
Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
「Xが情報収集に役立たない……」熊本地震で不満の声続出 「Twitterを返して」
-
3
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
4
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
5
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
6
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
-
7
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
8
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
-
9
「あ、その情報メモしたい!」を叶えるワイヤレスイヤフォン、Nothing「Ear (3a)」
-
10
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR