異例の人気 動画共有「YouTube」の正体
米YouTubeが運営する動画共有サイト「YouTube」が、日本で急速に人気を高めている。ネットレイティングスの調べによると、日本から月間212万人がアクセスし、1人あたりの利用頻度や視聴時間は米国を上回った(関連記事参照)。
日本のネットユーザーの5.2%が利用している計算で、「全内容が英語で提供されているWebサイトとしては異例な利用率」(ネットレイティングス)という。YouTubeとはどんなサービスで、なぜここまで人気なのだろうか。
YouTubeはユーザーがアップロードした動画をFlash形式で公開できるサイトで、昨年2月にオープンした。今年4月5日付けのプレスリリースによると、1日当たりのページビューは1億以上・ユニークユーザーは600万以上。動画ファイル総数は4000万で、毎日3万5000ずつ追加されているという。
公開されている動画は、ホームビデオからプロの作品までさまざま。音楽プロモーションビデオやテレビ番組、アニメなどの人気が高いが、著作者に無断でアップロードされたとみられるコンテンツが多く、日本のものも数多い。
動画ファイルはキーワード検索でき、日本語による検索も可能。人気歌手名で検索すれば、テレビ出演時の映像やプロモーションビデオが続々とヒットする。人気タレントならCMやドラマ出演シーンなどが見られるし、人気アニメシリーズが全話アップロードされていることもある。
動画はブログに簡単に貼り付けられるため、“お宝コンテンツ”を紹介するブログやまとめサイトが続々と登場している。動画のダウンロードは原則できない仕組みだが、ダウンロードするための“裏技”やツールがネット上で数多く公開されている。
YouTube側は、著作権を侵害するコンテンツをアップロードしないよう呼びかけており、問題のあるコンテンツの削除も行っている。3月から、一部のユーザー以外は10分以上の動画をアップできない仕組みにしたが、(関連記事参照)、違法コンテンツの根絶には遠い。
YouTubeのルーツ
YouTubeは、元PayPalの従業員のチャド・ハーリーCEOら3人が、昨年2月に設立した。ハーリーCEOは開発のきっかけについて「ディナーパーティーで撮影した静止画と動画を参加者に配ろうとした時、動画の配布だけがとても難しかったため、簡単にシェアできる仕組みが欲しいと思った」と語っており、自宅のガレージで開発を始めたという。
オープン当初はそれほど注目されていなかったが、昨年12月になって急速に人気が高まった。米NBCの人気番組「Saturday Night Live」の映像がYouTubeで公開され、米国で物議をかもすと共に知名度が一気に上がったためだ。その後NBCはYouTubeに抗議。YouTubeはNBCの番組を削除している。
国内では今年1月ごろからブログや「2ちゃんねる」で取り上げられ、人気に火が付いた。
違法コンテンツが問題とされる一方、プロモーション目的の利用が映像業界から注目を浴びている。英国の放送局Sky Oneはアニメ「The Simpsons」実写版予告編の配信を認めて効果を上げたほか、米国の音楽チャンネル・MTV2も、ビデオクリップをYouTubeに掲載する契約を結んでいる。
YouTubeの従業員数は25人(Newsweek 4月19日号による)で、オフィスはカリフォルニアのサンマテオ。昨年11月と今年3月に、米国ベンチャーキャピタル大手のSequoia Capitalから合計1150万ドルの投資を受けているが、ビジネスモデルは明らかにしていない。現在、動画のアップロードや閲覧は無料。サイト上にはGoogleのアドセンス広告が表示されている。
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