Vistaへの移行でMicrosoftがAppleから学ぶべきこと(2/2 ページ)
Cheetah発売の数カ月後、わたしは、勇気あるユーザーに出会えることを期待して、サンフランシスコで開かれたMacユーザーのグループミーティングに参加した。しかし50人の参加者のうち、Cheetahを常時使用していると答えたのはわずか数名であった。
2001年秋、AppleはメンテナンスアップグレードであるPuma(v10.1)をリリースした。Pumaの十分な安定性が証明され、AppleがMac OS Xをデフォルトブートとして出荷したのは2002年1月のことだ。
この時になっても、Appleのより高速な新モデルには、Mac OS 9がプライマリーOSとしてプリインストールされていた。ユーザーには選択肢があった――慣れ親しんだルックアンドフィールのMac OS 9プログラムを使い続けるか、メモリと安定性は強化されたがアプリケーションのアップデートバージョンが必要な馴染みのないインタフェースに移行するか。
デベロッパーはまた、新しい環境によって出来たすき間を埋めるための、まったく新しいアプリケーションを提供した。
Appleはこれと並行して、Cheetahの初版リリースから、Classicと呼ばれるMac OS 9アプリケーションを動作可能なエミュレーション環境を顧客に提供した。
したがってMac OS Xユーザーは、メモリ保護やそのほかのメリットがなくても、使い慣れたアプリケーションをそのまま使えることが約束された。
2002年春のWorldwide Developers Conferenceで、AppleはMac OS 9.xのサポートの打ち切りが迫っていることをソフトウェアパートナーに警告した。スティーブ・ジョブズ氏の基調講演はMac OS 9への悼辞で始まった。同OSは「われわれすべての友人だった」。バッハのトッカータとフーガ 二短調が流れる中、ステージから棺がせり上がった。
「皆さんの顧客の間で(Mac OS 9は)まだ死んでいないが、皆さんにとっての(Mac OS 9)はもはや終わったのだ」とジョブズ氏は聴衆に語った。
同氏はデベロッパーらに、約5カ月後にリリースされることになるMac OS X Jaguar(v10.2)の機能を説明した。バグが徹底的に取り除かれ、これまで落とされてきたMac OS 9の機能の大半がよみがえったバージョンだった。
2003年以降に投入されたMacモデルから、Mac OS X Jaguarのみがデフォルトブート(そして望めばLinuxも可能だったが、これはまた別の話だ)となり、Mac OS 9は起動できなくなった。もちろん、旧世代のMac OS 9アプリケーションは、Classic環境下で動作した。
(Appleは歴代MacモデルでMac OSのどのバージョンを起動できるかという興味深いリストを提供している。ただし、Appleには該当するシリーズあるいはモデルを明示せずにハードウェア構成の重要な変更を行うという不可解な習慣があるため、このリストは初心者には若干難しいかもしれない。)
Vistaの状況とは異なり、Macユーザーには、新しいOSを無視したければ無視できる期間が1年半以上も与えられた。顧客は自分たちのスケジュールに合わせてMac OS Xについて考えを固め、なおかつハードウェアをアップグレードしながら現行のワークフローは維持できるという保護策もあった。
実際、Classic環境のサポートが打ち切られたのはIntelベースMacがリリースされてからだった。
わたしが理解する限り、MicrosoftはVista投入において(Appleとは)反対のメッセージを送っているように思える――「皆さんはWindows Vista体験をありがたく感じるだろう。以上!」
それから、Macの価格の高さを指摘する人々に、ぜひ見て欲しいものがある。報じられているVista所有者が「追加」購入する場合の割引についてだ。アップグレードあるいは新たにVistaを購入した場合、追加ライセンス1件につき10ドル~40ドル安くなる。
これに対し、Appleが提供する「ファミリー」5パックライセンスは、1シート当たり40ドルだ。これこそ本当の「お買い得」と言えるだろう。
さて、Microsoftは来年のVista発売に向けて、Appleの戦略を参考にすべきではないだろうか?
Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「食事量は1日1200kcal以下、でも肥満」な人を14日間追跡調査 痩せない理由は……米コロンビア大などの研究
-
2
なぜ酒蔵の許諾なしに? 「VTuberコラボ日本酒」騒動、主催者が経緯説明 仲介者による調整で「準備進んでいると認識」
-
3
かっぱ寿司「配布前のコラボグッズ、フリマで買わないで」 プリキュアコラボ発表日に注意喚起
-
4
本物そっくり“AI生成レシート“が経費精算の脅威に マネフォ「自力で見破るのは難しい」 企業はどう備える?
-
5
「ペンギンを返して」→「3匹全部採用して」 批判殺到のSuica新キャラ、ファンアートが空気を変えた? SNSの声
-
6
「菜の花がおかしい」――イラストレーター制作うたうマラソン大会ポスターに指摘相次ぐ 事務局がAI使用明かす【訂正あり】
-
7
「iPhone Duo」純正ケース話題、「面白いけど高い」……1万4800円と2万4800円
-
8
「ランジェリーパープルじゃない」「買おうと思ってたのに」 iPhone 18 Pro/Pro Maxの色に落胆の声
-
9
幻の「ちいかわ」コラボ第3弾皿、捨てちゃうの? くら寿司に聞いてみた
-
10
藤井風のリサイタル、公式サイトがインターネット老人会すぎると話題 公民館のチラシみたいだけど東京ドーム開催
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR