音楽で集客へ――苦戦するMySpace日本版
世界最大のSNS・MySpace日本版「マイスペースジャパン」のオープンから約半年が過ぎた。当初は「国内最大のSNSになる」との目標を掲げていたが、現在その存在感は薄い。mixiのナンバーワンが揺るがない国内SNS界で、攻めあぐねているようにも見える。
国内版を運営するのはソフトバンクグループのマイスペース。MySpaceを保有する米News Corp.グループとソフトバンクが折半出資して設立した。今後、サイトに登録したアーティストの活動を支援したり、映画・アニメ関連コンテンツを拡充するなどしてサイトの魅力を高め、ユーザーを拡大していく方針だ。同社の安藤直子事業部長は「日本一のSNSになるという目標は変わっていない」と巻き返しに力を込める。
MySpaceは日本を含めて世界15カ国、8言語でサービス提供中。発祥の地・米国を中心にワールドワイドの存在感は圧倒的で、登録会員数は世界合計で1億7900万、米国版の1カ月あたりのページビュー(PV、3月時点)は430億という(関連記事参照)。
だが遅れて参入する形になった国内での存在感は薄い。会員限定のクローズドサービスであるmixiと異なり、非会員でもコンテンツへのアクセスは可能なオープンサービスの形を取っている。会員数は非公開だが、サイトへのアクセス者数を示す月間ユニークユーザー数は99万9000。月間PVは5900万とmixi(3月時点で約69億)の100分の1以下だ。
厳しい状況の国内版だが、音楽アーティストのユーザー登録を促したり、映画のプロモーション映像などコンテンツをそろえることで集客し、ユーザーを拡大していく方針だ。国内独自で開発した携帯電話版もこのほど公開。「米国っぽいと言われがち」(安藤事業部長)なPC版のユーザーインタフェースを“日本的”に使いやすく変えるリニューアルも6月に行い、巻き返しを図る。
アーティストは2万組登録
MySpaceは音楽・動画配信ができるため、米国ではアーティストにも広く使われている。ワールドワイドで400万組が「アーティスト」として登録しており、国内でも小室哲哉さんなどのメジャーアーティストからインディーズまで、2万組が登録済みだ(関連記事参照)。
「インディーズアーティストにとってマイスペースは、無料で音楽や動画を宣伝できる便利なプロモーションの場」(同社の萩本良秀マーケティング部長)といい、実際にプロモーションに役立った例もある。代表例が女性シンガーソングライターの「たむらぱん」だ。
たむらぱんは、一般ユーザーに、リンクしてほしいと伝える「フレンドリクエスト」を積極的に実施。フレンドとなったユーザーのブログにコメントするなど地道な活動を続け、1万以上のフレンドを獲得した。その後ネット限定で販売したCDは、予約だけで1000枚売り上げたという。
マイスペースは、音楽関連のイベントを主催・協賛するなどし、リアルイベントとネット上の交流とを連携させようとしている。「オフラインでつながったユーザー同士が、オンラインでも交流する、という動きが出ている。今後もオフライン活動を積極的に支援・実施していきたい」(萩本部長)
映画関連のコンテンツも拡充する。20世紀フォックス映画と共同で、今夏公開される映画「ダイ・ハード4.0」のテレビCM用イメージソングの募集も開始。映画「パッチギ」のプロモーション映像が見られるページも開設した。
今後は、アニメなど他分野のコンテンツも積極的に集めていきたいという。著作権侵害対策に特に力を入れているといい、コンテンツホルダーが安心して配信できるサービスを目指す。
公式サイト化、打診はしているが……
ビジネスは広告モデルを中心に展開する。現状は、サイト内のバナーの一部に、広告ネットワーク「impAct」の広告を入れているのみ。まずはユーザー数を拡大し、媒体として認知してもらうことが先決となりそうだ。
携帯電話向けサービスの開始とともに、各キャリアの公式サイト化も目指して協議中だが「なかなか難しい」(安藤事業部長)のが正直な感想という。携帯をテコにした集客はまだ難しそうだが、まずは音楽・映画コンテンツを中心に集客していく方針だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
Anthropic、「Claude Opus 5」公開 Fable 5に迫る性能を半額で――サイバー安全策は緩和、拒否時は自動フォールバックも
-
3
「iPhone高騰」はこれからも続く? 中国CXMTに近づくApple、メモリ競合へのけん制が不発に終わりそうなワケ【後編】
-
4
「ニューロマンサー」実写ドラマ、Apple TV+で2027年1月配信開始へ
-
5
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
6
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
7
海外の新作バカゲー「電車アタック」にマンガ家が感心した理由 ブッ飛んだ内容と完成度の高さ、そして“日本”
-
8
「めっちゃカメレオン」公式Discord乗っ取り 担当者PCがマルウェア感染、管理者が全員BANに 現在は復旧
-
9
暑さ対策が熱い! 「猛暑対策展」で感じた、転んでもただでは起き上がらない日本人のエネルギー
-
10
スーパーに並んだ「ごちゃごちゃ生成AIポップ」が物議 “看板王”こと、きぬた歯科院長「これはアリ」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR