グラス片手に
“夜の玩具”に進化した「SPACEWARP desktop」(2/2 ページ)
出来上がったコースを眺めていると、玉が転がるコースは2つあることがわかった。中央のエレベーターで頂上に上がったボールは、左右のコースに交互に転がり始める。向かって右側にいくと急な坂を一気にくだり、そのあとはゆっくりと外周を2回まわるコース。左側は全体的にスピード重視で、最後の2連ループから合流地点に至る部分が見せ場だ。
交互に分かれたボールは、時に左右から1つの合流地点へスピードをあげて迫るが、ぶつかることはない。鉄球が転がるスピードとタイミングをよく考えて設計されていることがわかる。
また、玉のスピードはカーブとストレートで大きく変わる。よく見ると、鉄球がレールの底について転がっている部分と、レールのヘリに載った状態の部分がある。ヘリにのると一気にボールのスピードが落ちるため、鉄球のスピードに“緩急”がついて、短い距離のコースでもそれなりに迫力と時間を感じるのだ。
では、ナイトモードに切り替えてみよう。SPACEWARP desktopには、通常の鉄球4個にくわえ、畜光剤入りの“夜光球”が5個付属している。玉をストックするヤードの背面に切替スイッチがあり、「デイモード」「ナイトモード」に合わせると玉の出口が切り替わる仕組みだ。だから普段は両方の玉を本体内に収納しておける。
一方、電源のスライドスイッチにも「デイモード」「ナイトモード」があり、これをナイトモードに合わせるとヤードの天井に設置されたブラックライトLEDが点灯する。夜光球は、ここを通過するたびに紫外線を蓄え、動かしている間は光り続けることができるという仕組みだ。スイッチを2つ切り替えるのはちょっと面倒だが、2種類の玉で2通りのSPACEWARPを楽しめるのはいい。
また夜光球は鉄球よりも少し小さく作られているため、転がるときに緩急がつかない。素材も軽いため、重厚な鉄球とはまた違う走行感になるのが面白い。昼と夜では、見かけばかりか挙動も変わる。だから何通りもの楽しみ方ができるのだ。
「SPACEWARP desktop」の場合、コースのレイアウトは決まっていて、通常のスペースワープのような柔軟性はない。新しいコースを設計する箱庭的な面白さは味わえないし、玉が360度回転したり(スペースワープ10000には「ムーンサルトギミック」が付いている)、分岐やシーソーといった大きな見せ場もない。だから、既にSPACEWARPを持っていて、大規模建築を果たしている人たちには物足りなく感じられるかもしれない。
しかし、デスクトップサイズでも玉が転がる面白さは感じることができるし、夜になると全く別の顔を見せてくれる。クリアパーツで構成されたコースは構造体としての美しさがあり、転がる玉の音は心地いいBGM。部屋の照明を落とし、グラス片手にまったりと眺めていたい大人の玩具に仕上がった。
問題は、転がる玉を眺めているうちに、オリジナルのコース作りに挑戦してみたいという衝動にかられることだろう。グラスを傾け、狭い部屋を見渡して自分をごまかすのだが、ついついネットで値段やサイズ(建設面積)を調べたり、ファンサイトを覗いては逆に刺激されてしまったり……そんな夜がしばらく続きそうだ。
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