2008 International CES:本田雅一のリアルタイム・アナリシス
CESプレスデーにおける「テレビのトレンド」(1/2 ページ)
昨年、CESプレスデーにおける大きなトレンドとなっていたのが、液晶パネルの倍速化技術だった。では今年のプレスデー、同様の潮流を作っている技術があるか? と問われると、答えに窮してしまうかもしれない。今年、”メガトレンド”と言えるほどのトレンドはないというのが正直な感想だ。
しかし、各社が同じ方向を目指しているのは間違いないだろう。それは「デザイン」と「ユーセージ(使い方、用途)」に着目し、薄型テレビの可能性を広げようとしているということだ。
今世紀初めはアナログディスプレイから、デジタルディスプレイへの移行がひとつのテーマになっていた。そしてデジタル化の流れが明確になると、今度は完成されていたアナログの画質にデジタルでどこまで迫れるか、解像度がフルHD対応になるのはいつか? といったことが注目点になった。
ところがフルHD化が当たり前になり、液晶パネルの倍速駆動など分かりやすい画質改善トピックも、各社横並び(もちろん、現在においても、トータルの画質は”完全”というにはほど遠い状態だが……)。「高画質化」を広く分かり易いメッセージに落とし込むことが難しいフェーズに入ってきた。
液晶、プラズマを問わず「超薄型」を次世代ディスプレイ技術のひとつとして紹介し始めたのも、有機ELテレビがもたらした“驚くほどの薄さ”が、何よりもビジュアル的に非常に有効なメッセージとして働くことが分かったからだ。
種火なしプラズマ、4K液晶テレビ……
また、使い方提案に関しては、以前からのネットワーク対応をさらに推し進めるといった既定路線の延長もさることながら、UWB技術を応用した無線映像転送技術のWireless HDと超薄型化技術を組み合わせることで、スタイリッシュな壁掛け設置を大規模な工事なしに実現するソリューションを提案しようとしている。
ただ、各社ともあまりに同じ方向に向かいすぎているとも強く感じられた。各社得意な方向が異なり、互いに切磋琢磨しながら覇権を争うというよりは、近年、ウケの良かったいくつかのコンセプトに多くの企業が群がったという感が強い。
もちろん、超薄型化とワイヤレス接続によるシンプルな壁掛け設置といった路線は重要だが、もっとテレビの本質的な部分でも新しい提案が欲しいところだ。
そうした意味では、パイオニアとソニーの動向に注目したい。
パイオニアはプラズマテレビにおいて、とうとう「種火」を使わない完全な黒からスムーズに発光させる手法を見つけ、次世代(同社9世代目)のパネルに採用するべく試作を重ねているようだ(関連記事:予備放電ゼロ――パイオニアがPDPコンセプトモデルを発表)。
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