“Z”の品格――LED REGZA「Z1シリーズ」(前編)(2/2 ページ)
Z1シリーズとRE1シリーズ、映像エンジンの違い
――Z1シリーズもRE1シリーズも映像エンジンとして「次世代レグザエンジン」を搭載していますが、どのような違いがありますか?
住吉氏: Z1シリーズの映像エンジンは「次世代レグザエンジンDuo」と呼んでいまして、チップがRE1シリーズよりも1つ多いダブルチップの構成になっています。
それと、ここを見てください。もう1つチップがあります。これは「Z9000」シリーズなどで超解像処理に使っていたLSIです。メインLSIにも超解像処理回路が入っているのですが、Z1にはあえてこのチップも搭載しました。
――なぜですか?
住吉氏: 追加したチップのほうには、高精度な「画像パターン検出型の3次元ノイズリダクション」が入っているからです。例えば、放送の暗いシーンでパッパッとインパルスノイズが出ることがあります。それに対して高域成分を元波形のまま抽出して、それをちゃんとキャンセルしてあげる。これが実はS/Nの改善に大きく効いています。
ただし、3次元ノイズリダクションを強くするだけでは弊害もあります。3次元NRは、フレーム間で差異を検出して必要な部分にNRをかけるのですが、映像が動いているときには“ずれた映像”と比較してかけてしまうため、高域成分の細かいディテールが消えてしまう。画質的にはあまりよくありません。
MPEG独特のノイズが多い番組を見たときなどは、暗い映像でノイズがフラッシング状に出てくることがあります。MPEG特有の0.5秒おき(Iピクチャー)に出てくるノイズを取り除くには効果的です。さらに、ノイズを低減できているがために、微小領域まで超解像をきっちりとかけられるメリットもあります。対して、ほかのモデルでは本当の微小領域では超解像の効果を弱めています。Z1シリーズではきっちり表示できていた顔のしわや服の質感といった細かい部分が、RE1ではでないこともあります。Z1を見ると、パッと見で視力が上がったように感じると思います(後編で詳細)。
トータルのS/Nがいいのに精細感も高い。これがZ1の特長です。Z1は映像にこだわりのある方々を購買層と想定しているので、その人たちが満足できるように、白ピークから最暗部まで階調性が連続的に保たれるようにしています。すると、細かい質感が出てくるようになり、それによって立体感や奥行き感も増す。
例えば、ガンマで明るい方を寝かしたりすると、“明るさ感”は出るのですが、そうすると白いシャツのしわが出にくいとか、ライトが当たっている女性アナウンサーの肌がべたっとして立体感が出ないといった現象が起きやすいのですが、Z1ではそういうことがありません。正しい階調性により、正しい質感を出せる。基本的にREGZAはすべてHi-Fi志向ですが、Zシリーズは“よりHi-Fi志向”。「よりREGZAらしいREGZA」といえます。
同じことは色関係にもいえます。例えば、原色系を強調して“パッと見”の印象を良くするといったチューニングを行うメーカーもありますが、REGZAではやりません。より本物に近い色再現になるよう、3次元カラーマネジメントやホワイトバランスを調整するためのRGBガンマテーブルをベストチューニングしています。
ガンマの部分で、違いが一番分かるのは“白トビ”の部分でしょう。Z1で見ていると、最明部でも階調性が十分に出るように自動的にチューニングされます。そういった部分を、よりしっかり作り込んだのがZ1なのです。
――Z1シリーズのほうが発売時期が遅いのは、そうした調整を行っているからですか?
住吉氏: それは単にスケジュール上の都合ですが、結果として今回はZ1のほうが少し遅れて発売されるので、細かいチューニングをかけることができます。数週間、半月くらいの間でも、絵作りのノウハウはどんどんたまっていくものです。時間をかければかけるほど良いものができますから、現場からいうと半月の違いは大きいですね。
また、実際に量産を始めたとき、液晶パネルなどはモノによってバラツキが出てきます。いくら全数チェックを行っているといっても、最初のうちは、ほんの数枚しか入ってきません。しばらくして数がそろったところで、パネルのセンター(平均値)がパネルメーカーの示した通りなのかを見極める必要があります。とても地味な作業ですが、実は量産中でもほんの少しずつ調整を加えていきます。その点、今回のZ1シリーズは、(ほかのモデルの)量産を開始して、しばらくしてから仕込めるので有利ですね。
後編では、Z1シリーズだけに搭載されている画質向上機能について、1つずつ詳しく聞いていこう。
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