IFA 2014
テクニクス復活と「SmartWear」、IFAのトピックから見えてきたソニーとパナソニックの変化(3/4 ページ)
”質の高い体験”を重視した戦略軸に変更なし
詳細はスマートフォン新機種にフォーカスを当てた記事を見ていただきたいが、ベストオブソニーをXperia Zシリーズに集めるというソニーの戦略は、今回のIFAも変わらない。「目新しさがない」と言う人もいるだろうが、むしろ“方向が定まり、進む方向も落ち着いてきた”と言えるのではないだろうか。
先日の決算発表ではフラッグシップモデルの発売サイクル見直しや、発売地域の絞り込みなどに言及されていたが、ここドイツをはじめ欧州先進国でのXperiaは存在感をここ1年でさらに高めた印象だ。それは街中の携帯電話ショップを見ても分かる。新製品投入タイミングなどの関係もあるだろうが、ベルリンのVodafoneショップでは、売上げトップ10にXperiaが5台もランクインしていた。
もちろん、スマートフォンのビジネスは通信キャリアとの協業でもあるため、ベルリンのVodafoneショップだけですべてを判断はできないが、販路が確保している地域に限れば、安定して良い品質、機能のスマートフォンを提供できるメーカーとして認知が進んできているとはいえる。
質の高い体験を軸とした商品開発を進めてきた平井一夫CEO兼社長の考えは今も変化していない。今回のIFAでも中心となる製品はXperia Zシリーズだが、今年は新たな旗艦モデルとなる「Xperia Z3」だけでなく、同時に性能、機能をほとんど切り捨てずコンパクト化した「Xperia Z3 Compact」、厚さ6.4ミリ、重さ270グラムの8インチ・ミニタブレットの「Xperia Z3 Tablet Compact」を同時投入し、この分野へのコミットメントを示した。なお、平井氏への取材リポートは別途お伝えする予定だ。
発表会ではXperiaシリーズのほか、レンズスタイルカメラの「QX」シリーズも拡充。Eマウントレンズを装着可能な、APS-Cセンサー採用のレンズスタイルカメラという、なんともマニアックに深掘りされた製品も登場している。昨年のIFAでアナウンスされたハイレゾオーディオ製品も、”ハイレゾ対応”をうたう新製品を7種類投入。この中には世界最軽量のハイレゾ音源再生機器(ウォークマン)もある。子会社となったテレビ事業でも、大画面カテゴリーでは人気が高まりつつある曲面パネル採用の4Kブラビアを並べた。
すなわち、好奇心を刺激するためにも、高い商品力を持つ、驚きと感動を与えるための製品作りというコンセプトにはまったくブレがない。では何も変わっていないのかと言えば、商品開発のエネルギーが”驚かす”ことよりも、体験の質を高める”熟成”に向かっているという印象だ。
例えば、「Xperia Z3」はナローベゼルやさらなる薄型化などのトピックもあるが、もっとも大きな変化は、まるまる2日はもつというバッテリー持続時間だ。2日間は充分もつという計測基準はソニー内部の測定ルールに基づくものだが、「Xperia Z1」をこの基準で計測すると1.2日程度とのこと。大幅に伸びたことは間違いない。カメラに関しても、スペック面での大きな違いよりも、実際の描写性能や25mm広角といった部分、それに実効ISO感度の強化などが行われた。粛々と各機能の質を高めていく方向で開発が進められたことを感じる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
Anthropic、「Claude Opus 5」公開 Fable 5に迫る性能を半額で――サイバー安全策は緩和、拒否時は自動フォールバックも
-
3
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
4
「iPhone高騰」はこれからも続く? 中国CXMTに近づくApple、メモリ競合へのけん制が不発に終わりそうなワケ【後編】
-
5
「ニューロマンサー」実写ドラマ、Apple TV+で2027年1月配信開始へ
-
6
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
7
海外の新作バカゲー「電車アタック」にマンガ家が感心した理由 ブッ飛んだ内容と完成度の高さ、そして“日本”
-
8
「めっちゃカメレオン」公式Discord乗っ取り 担当者PCがマルウェア感染、管理者が全員BANに 現在は復旧
-
9
暑さ対策が熱い! 「猛暑対策展」で感じた、転んでもただでは起き上がらない日本人のエネルギー
-
10
スーパーに並んだ「ごちゃごちゃ生成AIポップ」が物議 “看板王”こと、きぬた歯科院長「これはアリ」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR