立ちどまるよふりむくよ

「セカイの終わり」とPokemon GO コノ、オオゾラニ、エアタグヲ(3/5 ページ)

セカイが終わった理由

 セカイカメラを終了させた谷口CEOは、「ARを見るために手をかざすのは恥ずかしい」「情報が整理されず混沌としてた」「毎日使う必然性」という3つの「失敗」を挙げている

 セカイカメラはもともと自由にテキストでも写真でも投稿できる、別の新たなレイヤーを創りだそうぜ、という「Tagging The World」がテーマで、だからこそ「姉ヶ崎寧々」タグが大量発生したりしていたのだが、「手をかざすのが恥ずかしい」も「混沌」も、セカイカメラがやってきたことの全否定である。

 実空間の位置にひもづけた情報をマッピングすることで起きる問題は、2009年7月に発足したAR Commonsという団体が、慶応大学の岩渕潤子教授(当時)を代表にディスカッションしていた。当時はGoogleストリートビューのプライバシー問題が取り沙汰されており、同様の問題がARで起きるのではということで議論されていたのだが、Pokemon GOで現在顕在化している問題の多くはここで予想されていのではないだろうか。その成果はどこかで反映されているのだろうか。AR Commons自体は活動を終えているようだが、いつの日か復活するというのはありうるのか。

 ちなみに、長崎の平和公園にポケモンジムやポケスポットが設置されて長崎市が困惑しているという話(結果的に原爆資料館のみ除外申請を出した)だが、いい機会なので、平和公園にかぎらず、長崎の被爆証言や被害の状況をARで表示するプロジェクト、Nagasaki Archiveについても言及しておこう。普段は目にしない情報を現実空間にマッピングしてレイヤー化するメリットは当然ながら、あるのだ。

photo 平和祈念像の周囲にAR表示された長崎被爆者の証言

 ちなみに長崎はネコが多い。平和公園にも人懐っこいネコがいて、訪問客をなごませてくれるので、リアルニャースと戯れるのもいいのではないだろうか。いつか実家に帰ったら、そのすぐそばにあるこの公園でPokemon GOをかざしてみようと思う。

photo 2012年夏、平和公園を訪れたときのネコと妻

 谷口CEOが指摘したセカイカメラ失敗の要因その3である、「毎日使う必然性がない」こと。

 それが利用者に知られてしまったのは、確かに痛いことだ。だから、徐々に使われなくなっていったのだと自分は考える。いまならばiOSにもAndroidにも備わっている通知機能で、どこでおもしろいエアタグに出会えるのか、アプリを起動していなくても知らせてくれるのだろうが、当時はアプリ自体をバックグラウンドで常に動かしておく必要があったのだ。

印刷する
SNSでシェア
SpecialPR

立ちどまるよふりむくよ

過去を振り返りまくる連載。音楽、映像、コンピュータ、テクノロジーをタイムトラベルしながら新たな発見をしていく。

この連載の記事をもっと見る

この記事の著者

関連記事

こんなメディアも見られています

ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。

メールマガジンを配信中
メールマガジンを配信中

国内外の業界動向、AIやクラウドなどの最新技術、キャリア情報など今知りたい情報をまとめてお届けします。

いますぐご登録

本日の新着記事

アクセスランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

ITmedia NEWS SNS

X @itmedia_newsをフォロー

インフォメーション

ITmediaNEWSをフォロー

あなたにおすすめの記事PR