ママ向けのITサービスを駆使して、ニューヨークでママ友を作ってみた
子育ては幸せであると同時に、苦悩の連続でもある。だから、子育て中のママにはそんな思いを共感する仲間、「ママ友」が必要だ。
しかし、ママ友を作るのは普通の友達を作るのとは少し勝手が違う。子ども同士を遊ばせることができるよう、子供の年齢が近いことが前提で、さらにママ同士の相性も合う必要があるからだ。
日本と同様、米国、特に筆者の住むニューヨークは共働き世帯の比率が高く、ママが普段の生活の中でママ友を作るのは簡単ではない。
そんな彼女らの悩みから生まれ、米国で人気を博しているのが、今回取り上げるスマートフォンアプリ「Cardamom」。近所のママ友を探せるアプリだ。
今回は実際にこのアプリを使ってママ友を作った筆者の体験談を元に、ニューヨークの子育て事情をお伝えする。
ママ向け交流アプリ、位置情報で近くのママ友を検索
Cardamomの使い方はシンプル。ユーザーの名前と作りたい友達のタイプ(自分の友達や子どもの友達)、住所、年齢、最終学歴、職業、そして自己紹介文を登録。あとは、子供の年齢、プレイデート(友達同士で遊ぶこと)するならいつが空いているのかなどの情報を入力するとサインアップは完了。住所はユーザーを検索する際の位置情報として利用されるだけで、住所そのものが公開されるわけではなくプライバシーは守られる。
サインアップが完了すると、アプリがユーザーの位置情報を使って独自のアルゴリズムでユーザーにマッチしそうなご近所のママを表示してくれる。気になる親子がいれば「あいさつ」ボタンを押す。すると相手に通知され、相手も自分を気に入ればマッチングは成立。アプリ内のチャットでコミュニケーションを開始できる。
位置情報を元にマッチングの提案がなされる点や、相手が反応しないかぎりメッセージが送れない点などの気軽さは、米国で人気の交流アプリ「Tinder」とも似ている。
(Tinder:米国発のユーザー同士のマッチングサービス。Facebookと位置情報を利用して近くにいるユーザー同士をマッチングする。ユーザーの総マッチング回数は100億回にのぼる。)
実際にアプリを使ってママ友を作ってみた
筆者が実際に会ったのは、私の娘と同じ月齢の息子を持つメキシコ系米国人のRita。彼女に声をかけたのは、娘同士はまだ幼く一緒に遊ぶことはできないものの、育児の悩みは共通するものが多く、それだけで会話が弾むと思ったからだ。
アプリでRita親子と「あいさつ」をし合い、アプリ内のチャットで連絡を取りあう。実際に会う場所は近くのスターバックスコーヒーに決まった。友達を作りたいという同じ目的を持つもの同士だから、やりとりも非常にスムーズだ。
彼女の身の上を聞くと、メキシコの高校を卒業後、単身で渡米し、アルバイトをしながら奨学金を獲得してコロラド州の大学を卒業。そこで出会った米国人の夫と結婚し、ニューヨークで生活している。家の中では英語とスペイン語両方で教育をしているという。
アプリには彼女の他にも多くのバイリンガルやマルチリンガルのユーザーがおり、多様な人種の住む米国らしいと感じた。
筆者も含め、米国に住んでいても異なる文化的背景を持つ人はかなり多い。当然、その子供は複数の文化の入り交じる環境で育つことになる。メキシコでは髪を梳かすことを大切にしているらしく、その日も彼女の息子はまだ小さい赤ちゃんでありながら髪はとてもきれいに整えられていた。国によって異なる習慣が垣間見られて面白い。
他にも、おすすめの離乳食メーカーや子連れに最適な近くのレストランの話題など、お互いの知っている情報を共有し、有意義な時間を送ることができた。
なお、「Cardamom」は2016年11月のサービス開始以降、ニューヨークでママ限定イベント「Mom’s Night Out(ママの夜遊び)」を開催するなど、さまざまな方法でママ友作りのプラットフォームを提供している。
「Meetup」を通じてプレイデートも
筆者は他にも、同じ趣味を持つ人同士が集うコミュニティーイベントを紹介するサービス「Meetup」を使ってプレイデートに出かけてみた。
筆者の住むエリア近郊のママが多いコミュニティーに参加し、子ども向け屋内施設でのプレイデートに行ってみた。会場を訪れると同じような月齢の子どもをもつママ達ばかりで、やはり人種も多様。私達の他に初めて参加する親子も何組かいたが、皆フランクに話してくれたので打ち解けやすかった。
子どもの様子をみながら各自好きなタイミングで施設を入退場し、良い意味でドライに感じた。
ママ友作りの難しさは万国共通。米国人に対してはオープンな国民性というイメージを抱いていたので、ママ友探しに悩むのは意外だった。
周りのママを見ていると、図書館の実施するプログラムに通ったり、最寄りの公園で遊ばせる中で知り合いを作ったりするなど、日本と同じようにアナクロな部分も多く見られる。しかし、今回のようにデジタルを賢く使って気の合うママ友探しをするのは、米国の子育て術の1つなのかもしれない。
今の赤ちゃんの親の多くは子供の頃からインターネットに触れて育ち、インターネット上で人と知り合うことに抵抗を持たない世代。日本のママに向けたこのようなSNSの需要もあるかもしれない。
ライター
執筆:橋本沙織
編集:岡徳之
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