「STORIA法律事務所」ブログ
萌えキャラ生成AI、学習データを“ネットの海”からゲッチュするのはアリか?(5/5 ページ)
モデルが自動的に生成した萌えキャラ画像が、モデル生成に利用した生データの1つに「偶然」似てしまった場合、当該生データの著作権侵害にならないのか
これは以下の図のような問題です。
この点に関しては以前「AIが偶然に「穴子さん」を生み出した場合、サザエさんの著作権者に怒られるのか?(キャラクター生成AIと著作権問題)」にて詳細に解説したので是非そちらをご覧ください。
結論的には、「依拠(いきょ)性なしとして著作権侵害とならないという考えも十分成り立ちうるが、現行法上の解釈を前提とすると依拠性ありとして著作権侵害となると思われる」というものです。
まとめ
以上をまとめておきます。MakeGirls.moeについては
1、仮に生データを権利者の許諾なくダウンロードしてモデルを生成していた場合、生データの著作権侵害にならないのか
→著作権法47条の7により、原則として著作権侵害にはならない。
2、生成された学習済みモデルは誰のものか
→MakeGirls.moeサービスの場合はあまり問題にならないが、「モデル生成事業者が、特定の第三者が保有しているデータを、当該第三者との間の契約に基づいて提供を受けてモデル生成をした場合」には、この「生成された学習済モデルは誰のものか」は非常にシビアな問題となる。
3、学習済みモデルで自動作成した萌え画像については誰が権利を有するのか
→モデルを用いて画像を生成するに際して「創作的寄与」があるかどうかの問題だが、MakeGirls.moeの場合は「創作的寄与」ありと解釈されるのではないか。ただし大量にAI画像生成された場合の問題は残る。
4、自動生成された萌えキャラを俺は愛せるか
→自分次第。
5、モデルが自動的に生成した萌え画像が、モデル生成に利用した生データの1つに「偶然」似てしまった場合、生データの著作権侵害にならないのか
→現行法では「依拠性」ありとして著作権侵害の可能性高い。
STORIA法律事務所から「AIビジネス法務・知財セミナー」のご案内
2017年12月8日午後1時から、福岡・博多にて「AIビジネス法務・知財セミナー」を開催します。AIをビジネスで活用する際の法律的な問題点をどう考え、どうクリアするかについて、政府や民間による議論の最新動向も含めてお伝えするものです。(講師:柿沼太一弁護士) 申込と詳細はこちらのページから。
著者プロフィール
**弁護士・柿沼太一 **
1973年生まれ。00年に弁護士資格取得後、著作権に関する事件を数多く取り扱って知識や経験を蓄積し、中小企業診断士の資格取得やコンサル経験を通じて企業経営に関するノウハウを身につける。13年に、あるベンチャーから案件依頼を受けたのをきっかけとしてベンチャー支援に積極的に取り組むようになり、現在ベンチャーや一般企業、著作権関係企業の顧客多数。STORIA法律事務所(ストーリア法律事務所)所属。ブログ更新中。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
STORIA法律事務所ブログ
東京都と神戸市にある「STORIA法律事務所」のブログに掲載された、選りすぐりの注目記事を転載しています。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
肖像画をChatGPTに読み込ませて出力→加工して納品 委託先による著作権侵害で、小学館「サライ.jp」が謝罪
-
2
新作「鬼武者」にハマったマンガ家が熱弁する、他とは違う“パリィ”の魅力とは?
-
3
経営「AIでラクして早く帰って」→社員「帰らない」 工数最大9割減のDeNAも悩むAI効率化の壁
-
4
“自動で耳コピ”アプリ、ヤマハが無料公開 音源読み込み→3分でピアノ譜に
-
5
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
6
メインで使うスマホ、Androidが54.1%でiPhoneを上回る 40代以上の最多シリーズは「AQUOS」
-
7
YouTube、収益化基準を2027年に大幅引き上げへ 新規参加条件が従来の2倍に
-
8
幻の「ちいかわ」コラボ第3弾皿、捨てちゃうの? くら寿司に聞いてみた
-
9
「iPhone Duo」実機をマニアック目線でチェック かな入力の分割不可、ケース装着時だけの隠し設定など
-
10
「労働時間を長くしたい」男性3%・女性6%……どんな人? 東大が調査
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR