カシオがもたらしたデジカメの歴史を振り返る(2/4 ページ)
カメラメーカー台頭によるQVの低迷期
QV-10の予想外の成功はカシオにとって早すぎたのかもしれない。当然、カメラメーカー・家電メーカー各社も小型デジタルカメラの開発は進めていたわけで、追いかけるように1996年から7年にかけて富士フイルム、オリンパスを筆頭にソニー、コダック、リコーと多くのメーカーが35万画素のセンサーを搭載して参入。
一気に群雄割拠となり、カシオも望遠レンズと切り替えて使える「QV-30」や、35万画素に画素数を上げた「QV-100」や「QV-300」と次々と投入するが、本職のカメラメーカーに比べると、あるいはデジタル化されたカメラを目指した各カメラメーカーとビジュアルコミュニケーションツールを目指したカシオの差といってもいいのだが、どうしても画質面で見劣りするのは否めなかった。
それでも、光学ズームの時代になり、1999年には130万画素で8倍ズームレンズを搭載したQV-8000SXを投入するなど、レンズ回転式のQVシリーズは個性を発揮していた。
2000年になるとキヤノンが「IXY Digital」を投入。コンパクトデジカメ市場が一気に動き出し、斬新で意欲的なデザインのカメラより四角くてコンサバな昔ながらのカメラっぽいカメラが主流になり、カシオにとってはつらい時代になる。
カード型「EXILIM」で息を吹き返すカシオ
だがしかし、カシオがおとなしくしているわけがないのであった。
2002年、何の前触れもなくまったく新しい製品が登場する。「ビジュアルコミュニケーション」の原点に立ち返った、「EXILIM S1」だ。
ズーム倍率が上がり画素数が上がり、カメラとしての高性能を追求する製品が主流になる中、カシオは「ズームなし」「フォーカスは固定」、でも厚さは11.3ミリで重さは約100グラムでカードサイズというウェアラブルカメラを目指してきたのである。
名刺入れに入れるかどうかはともかくとして、薄くてどのポケットにも入り、起動も撮影も速くてサクサク撮れるという、他社とはまったく異なったカメラの誕生である。
ここで原点に返ったといっていい。薄くて軽くてズームはないけどサクサク撮れるというので人気を博したわけである。
EXILIMもこのあと時代の波に呑まれるように光学ズームレンズを搭載した「EXILIM Z」シリーズを出して定番コンデジとしての地位を得るに至るのであるが、2004年に出した超薄型光学ズームモデルの「EX-S100」は特筆すべき存在としておきたい。
さてEXILIMもいち早く液晶モニターを大型化し、バッテリー持続時間を大幅に伸ばし、高倍率ズーム化を経て、以前のような「カードサイズ」ではなくなったものの、EXILIMらしさを持つ普通のコンパクトデジカメとなっていき、それに伴ってQVシリーズも終了したわけだが、その辺は割愛。
個人的には、バッテリー寿命を他社よりぐっと延ばしてきた(確か、500枚撮れる!ってのがウリだった気がする)のを評価したい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
荻窪圭のデジカメレビュープラス
デジタルカメラ関連の製品レビューやコラムを掲載しています
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
なぜ酒蔵の許諾なしに? 「VTuberコラボ日本酒」騒動、主催者が経緯説明 仲介者による調整で「準備進んでいると認識」
-
2
「食事量は1日1200kcal以下、でも肥満」な人を14日間追跡調査 痩せない理由は……米コロンビア大などの研究
-
3
かっぱ寿司「配布前のコラボグッズ、フリマで買わないで」 プリキュアコラボ発表日に注意喚起
-
4
本物そっくり“AI生成レシート“が経費精算の脅威に マネフォ「自力で見破るのは難しい」 企業はどう備える?
-
5
「菜の花がおかしい」――イラストレーター制作うたうマラソン大会ポスターに指摘相次ぐ 事務局がAI使用明かす【訂正あり】
-
6
「ペンギンを返して」→「3匹全部採用して」 批判殺到のSuica新キャラ、ファンアートが空気を変えた? SNSの声
-
7
藤井風のリサイタル、公式サイトがインターネット老人会すぎると話題 公民館のチラシみたいだけど東京ドーム開催
-
8
「iPhone Duo」純正ケース話題、「面白いけど高い」……1万4800円と2万4800円
-
9
松本デジタル相、24.6万件漏えい可能性について説明 「既知の脆弱性を対応前に悪用」
-
10
デジタル庁に不正アクセス、個人情報24.6万件漏えいか 各府省庁の職員情報など
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR