コンピュータで“錯視”の謎に迫る
同じ画像なのに違う絵が見える 不思議な「スーパーハイブリッド画像」とは?(3/3 ページ)
これは、遠くから「ようこそ」が見え、近くでは「ようこそ 数理で探る」が見え、そしてさらに近づくと「ようこそ 数理で探る 錯視の世界へ」になるというものです。画像の前で移動している模擬体験ができるように、先ほどと同じく画像の方を拡大・縮小してみます。
これは従来のハイブリッド画像とも、また先にご紹介した筆者らのスーパーハイブリッド画像とも異なり、一度現れた文字は消えずに鮮明に見え続け、さらに文字がマージされた背景もきれいに保たれたままになっています。
新型スーパーハイブリッド画像は本連載の第3回、第4回で「浮遊錯視」を作る際にも使った新しいタイプのフィルター群「かざぐるまフレームレット」(新井・新井)を使っています(注2)。
スーパーハイブリッド年賀状
ハイブリッド画像、スーパーハイブリッド画像の用途ですが、もちろん見て楽しむということがあります。その他、視覚の特性を調べるのにも使えるでしょう。実用的なところでは、オリバ氏らがハイブリッド画像について参考文献[2]で指摘しているように、大きな錯視看板を作れば宣伝効果があがるかもしれません。ここではスーパーハイブリッド画像を使って14年に作成した年賀状の一例を紹介します。
ハガキを遠くから見ると2014年のえと「午」、やや近づけて見ると「2014」、さらに近づけると紅梅の図柄が見えてくるというものです。
(注1)スーパーハイブリッド画像、ハイブリッド画像の見え方は、画像の表示サイズのほか、見る人の視力にも依存します。
(注2)このフィルターを使うと、ハイブリッド画像もスーパーハイブリッド画像も作ることができます。本稿に掲載のスーパーハイブリッド画像、ハイブリッド画像は、実際このかざぐるまフレームレットを使っています。
参考文献
[1] A. Oliva, A. Torralba, P.G. Schyns, Hybrid images, 2006 Transactions on Graphics, ACM Siggraph, 25-3, 527-530.
http://cvcl.mit.edu/publications/OlivaTorralb_Hybrid_Siggraph06.pdf
[2] A. Oliva, A. Torralba, P.G. Schyns , 2006 Siggraph Presentation Slides
http://cvcl.mit.edu/publications/Talk_Hybrid_Siggraph06.pdf
[3] 新井仁之、新井しのぶ、数学による新しい表現方法 スーパーハイブリッド・アート
http://www.araiweb.matrix.jp/Exhibition/FromHybridToSuperHybrid.html
ITmedia NEWSの錯覚関連記事
あなたはどう見える? 「静止画が動いて見える」不思議な錯視の世界
「あなたは何色に見える?」──“ドレスの色”問題が再来 今度は「サンダル」
「白と金」「いや青と黒だ」あなたはどっちに見える? 1枚の写真をめぐりネットで激論
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
コンピュータで“錯視”の謎に迫る
あなたが今見ているものは、脳がだまされて見えているだけかも……。この連載では、数学やコンピュータの技術を使って目に錯覚を起こしたり、錯覚を取り除いたり──。テクノロジーでひもとく不思議な「錯視」の世界をご紹介します。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
3
GMO、不正アクセス実行犯の手がかりに懸賞金 1億5000万円規模
-
4
auメールで朝から障害 全国で利用しづらい状況に
-
5
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
6
Apple、M6搭載の14インチ「MacBook Pro」発表 AI性能向上、33万9800円から
-
7
GMO、攻撃者の公開情報に「アクセスは絶対に控えて」 悪質な拡散者には法的措置を準備
-
8
IPO目論見書に「AIは人類の存亡リスク」「コードの9割はClaude製」 Anthropicが示した規格外の見立て
-
9
メアドを検索→AIで“その人専用フィッシングメール”を生成する手法、クリック率が約2.7倍に 7000人以上で実験
-
10
So-net、会員情報約259万件が漏えい 一部メールサービスではパスワードも流出
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR