デジタルネイティブのためのフォントとデザイン[特別版]
新元号と新紙幣のフォントとデザイン(2/5 ページ)
最後の“現実紙幣“となるのか、それとも……
新元号の発表に続いて話題になったのが、2024年に発行を目指しているという日本円の1万円札、5000円札、1000円札のフォントとデザインだ。デザインは財務省ウェブサイトでそのイメージを確認することができる。これについても議論が交わされ、疑問も多く提示されている。
文字デザイン上のポイントでは、金額を表すメインの数字が、漢数字からアラビア数字にかわったことにも注目が集まっている。不思議なことに現行の紙幣が新紙幣として発表されたときは表面の聖徳太子が福沢諭吉に変わった、とか、裏面の絵柄についてのコメントが多かったように記憶しており、数字の形についてはほとんど意見を記憶していない。
これは明治以降、漢数字で金額を一番大きく扱うという枠組みが大きく変わっていなかったことにあるのではなかろうか。紙幣の原図を描く工芸官の方々も大変なご苦労があったことだろう。まずは原図制作に携わった方々に「たいへんなお仕事でしたね。形にしていただきありがとうございます」と、ひとこと申し上げたい。通貨を取り巻く環境も大きく変化している現在、これが最後の大掛かりな紙幣の刷新になるかもしれないのだ。
ただし、数字の字型や紙幣全体のバランスについてはIT業界の「開発発表」で披露される製品のモックアップと同じようなレベルではないかと思っている。なので、発行までに完成度が高まることを期待したい。
1万円札と1000円札でアラビア数字「1」のデザインがの字形が異なるという疑問点については、どちらかに統一しても良いのではないかという印象を持っている。理由はどちらの「1」も数字の1として認識できること、「1」のデザインが1万円札と1000円札を区別させる必然性があまり感じられないことだ。ユニバーサルデザインの見地からも疑問が残る。紙幣のサイズ、色、絵柄のデザインに加えて、はたして数字の形でも区別される要素が必要なのだろうか。
「1」の字形は1万円札のほうが良いとする意見が多いと予想するが、こぶりなゴシックのように「1」形がシンプルな一本線の書体もきちんと存在する(ただし、こぶりなゴシックの数字と新紙幣「0」の数字は字形がかなり異なる。共通するのは「1」の数字だけだ)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
デジタルネイティブのためのフォントとデザイン
スマートフォンやSNSの普及で、誰もが気軽に情報を発信できるようになった今、「どう発信するか」を考える上で、欠かせないのがフォントやデザインです。「最近ここのフォント変わったな」「このロゴどうやってデザインしたんだろう」と、身近な文字が気になっている人も多いのではないでしょうか。 この連載では、街角やビジネスの現場など身のまわりにある文字をきっかけに、奥深いフォントとデザインの世界をご案内します。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「Xが情報収集に役立たない……」熊本地震で不満の声続出 「Twitterを返して」
-
2
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
3
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
4
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
5
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
6
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
7
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
-
8
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
-
9
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
10
「あ、その情報メモしたい!」を叶えるワイヤレスイヤフォン、Nothing「Ear (3a)」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR