「SFみたい」「カッコいい」――ネットで反響“球体ドローン”、生みの親が貫く信念(1/3 ページ)
丸いボディーに映像を表示しながら飛行できる「浮遊球体ドローンディスプレイ」、プロペラがなくても空を飛べる「羽根がないドローン」――。NTTドコモには、他に類を見ない“飛行物体”を生み出し続ける1人の研究者がいる。
その研究者は、同社の山田渉さん(先進技術研究所 社会センシング研究グループ)。「サイエンスフィクション(SF)をサイエンスにする」をモットーとして掲げ、学生時代からモノづくりに取り組んできた。
山田さんは浮遊球体ドローンディスプレイを2017年春、羽根がないドローンを19年春に発表。ドローンらしからぬ丸いフォルムと独創的なコンセプトが注目され、いずれもSNS上で「カッコいい」「面白い」「SFみたいだ」などと話題に。イベント「ニコニコ超会議」に出展すると、ドコモブースは多くの来場者でにぎわった。
山田さんはドコモでは、ドローンの他、装着すると没入感の高いVR映像を視聴できる「超広視野角VRゴーグル」など、ジャンルにこだわらず先進的なモノづくりを担当。研究内容を論文にまとめて国際学会でも発表している。プライベートでも、ハッカソンに出場して賞を獲得するなど精力的に活動している。
ドローンやコンピュータと人間、どうすればうまく関われるのか
山田さんの研究・開発のモチベーションになっているのが、「ドローンやコンピュータと人間が、うまく関わり合う方法を考え出したい」という使命感だ。
例えば、ドローンは以前から宅配などでの活用が期待されているものの、飛行音の大きさや人への衝突が懸念され、広く普及するには至っていない。皇居や寺社仏閣の上空にドローンを飛ばす迷惑行為もたびたび起こり、ドローンにマイナスイメージを持つ人も少なくない。
そんな中でも、柔軟な発想を持ち、構造を工夫すれば、ドローンは人間のよい“相棒”として広まるかもしれない。「ドローンが飛び回って音楽ライブやスポーツイベントを盛り上げたり、道に迷っている人を見つけ出し、フワフワ飛びながら案内したりしてもいい。工場の点検などをドローンに任せてもいいですよね」と山田さんは目を輝かせながら話す。
ドコモと大学院博士課程の“二足のわらじ”
こうしたアイデアは、もしかすると「SFの世界じゃあるまいし、無理だよ」と実現可能性を疑う人がいるかもしれない。だが山田さんは、これらを現実のものとするため、ドコモでの仕事と並行し、東京大学大学院の博士課程にも在籍。
「ヒューマン・コンピュータ・インタラクション」(人間とコンピュータの快適な関係)研究の第一人者として知られる暦本純一教授のゼミで学び、SFに登場しそうなモノをひらめくセンスと、それを実現する技術力に磨きをかけてきた。
「いきなりいいモノをつくることはできません。暦本教授やドコモの先輩に教えを乞いながら、地道な検証を繰り返す作業の積み重ねが、発想の源になっています」(山田さん)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「Xが情報収集に役立たない……」熊本地震で不満の声続出 「Twitterを返して」
-
2
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
3
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
4
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
5
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
6
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
7
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
-
8
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
-
9
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
10
「あ、その情報メモしたい!」を叶えるワイヤレスイヤフォン、Nothing「Ear (3a)」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR