京大、業務系システムをクラウドに全面移行 AWS、G Suiteなど導入の舞台裏(2/2 ページ)
永井教授が所属する情報環境機構が、プロジェクトの運営委員会を組織し、クラウド移行の方針を検討。業務系システムなどは外部クラウド(IaaS)へ移行する、グループウェアやメールはSaaS型サービスを利用する――といった具合だ。
業務系システムの中でも、マイナンバーや健康情報などセンシティブなデータを取り扱うものは、従来通りオンプレミスで運用する方針にした。「学内でコンセンサスが取りにくいと判断し、見送った」(永井教授)
クラウドベンダーに求める仕様を確定した上で、18年ごろ一般競争入札を実施。その結果、業務系システムにはAWS、情報系システムはGaroon、kintone、G Suiteを採用した。
業務系システムは、関東3カ所のデータセンターに分散収容。データセンターと京都大学の間は、学術情報ネットワーク「SINET」を利用してL2-VPNで接続し、大学内のオンプレミス環境と同様に使える仕組みを整えた。永井教授は「現実的なBCP/DR対策が見えてきた」と胸を張る。
教職員用グループウェアは、Garoon、kintone、G Suiteを同じ認証システム(Shibboleth)で連携させた。
GaroonとG Suiteを同期させ、独自開発したスマートフォンアプリでスケジュールを確認できる仕組みも導入。教員がGmailやGoogleカレンダーを「好き勝手に」使っていたことを踏まえ、こうしたアプリを導入すれば「(教員によく使ってもらえる)キラーアプリになる」と考えたという。
「リリース直前は徹夜もした」
永井教授は「AWS、Garoon、kintone、G Suiteの導入を同時に進めたこともあり、会議に膨大な時間を要した」と振り返る。「各システムが密接に連携しているので同時進行が必要だったが、プロジェクトのコアメンバーは6人だったので無理があった。リリース直前は徹夜もした」
また、クラウドベンダーと京都大学で意見をすり合わせながらプロジェクトを進めたが、リリース直前はコミュニケーションがおろそかに。思い込みが原因で作業のやり直しが発生し、リリースが約1カ月遅れる事態になったという。永井教授は、クラウドベンダーと大学の相互で課題を認識した上で、やるべきことを明確にすることが重要と話す。
永井教授は「今後も外部のクラウドサービスを積極的に利用したい」と意気込む。今回は、業務系システムと情報系システムをクラウドへ移行したが、研究用のサーバなどでもノウハウが生かせると考えている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
なぜ酒蔵の許諾なしに? 「VTuberコラボ日本酒」騒動、主催者が経緯説明 仲介者による調整で「準備進んでいると認識」
-
2
「食事量は1日1200kcal以下、でも肥満」な人を14日間追跡調査 痩せない理由は……米コロンビア大などの研究
-
3
かっぱ寿司「配布前のコラボグッズ、フリマで買わないで」 プリキュアコラボ発表日に注意喚起
-
4
本物そっくり“AI生成レシート“が経費精算の脅威に マネフォ「自力で見破るのは難しい」 企業はどう備える?
-
5
「菜の花がおかしい」――イラストレーター制作うたうマラソン大会ポスターに指摘相次ぐ 事務局がAI使用明かす【訂正あり】
-
6
「ペンギンを返して」→「3匹全部採用して」 批判殺到のSuica新キャラ、ファンアートが空気を変えた? SNSの声
-
7
藤井風のリサイタル、公式サイトがインターネット老人会すぎると話題 公民館のチラシみたいだけど東京ドーム開催
-
8
「iPhone Duo」純正ケース話題、「面白いけど高い」……1万4800円と2万4800円
-
9
松本デジタル相、24.6万件漏えい可能性について説明 「既知の脆弱性を対応前に悪用」
-
10
デジタル庁に不正アクセス、個人情報24.6万件漏えいか 各府省庁の職員情報など
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR