立ちどまるよふりむくよ
もう逢えないあの人に瞳AFした Reminiの魔法で合焦(3/3 ページ)
ではもっと粗い写真だとどうなのか。彼女が渋谷から板橋に引っ越して、その駅前でポーズを取っている写真を実家でもらってきた。カラー写真なのだが、退色してしまっている。自動彩色で元の色に戻そうと何度もトライしているのだがうまくいかない。
この表情はぼやけていて、というか、解像度が低過ぎて、微笑んでいるところまでは分かるのだが、細かい表情までは読み取れない。これをReminiで処理するとどうなるだろうか。試してみたが、退色した元画像だと顔を認識してくれない。そこで、いったん白黒化した上でReminiにかけると、今度は処理された。
確かに、それっぽくはなった。だが、はっきりした二重まぶただったり、目尻がたれていたりで、このくらいの女の子の表情としては破綻ないように思えるが、本人とは言い難いものになっている。「再現」するためには、ある程度の情報は必要なのだ。
「私、最近まで奥二重だったの」と、出会った最初の頃に話していたのを思い出した。
オリジナルとの違いを知ることで何かを思い出す。そういうのもAIのおかげであるのはたしかなのだ。
このアプリ、機能としては動画も同様の処理をしてくれるらしい。そうすると、8ミリビデオで撮った、新婚の頃の妻がより鮮明によみがえるかもしれない。
ただ、現在、処理が殺到しているらしく、写真の処理ですら相当の時間待ちを強いられる。アプリ内課金していてもだ。動画は現在機能していない。エンドユーザー利用許諾の条件がいい加減だという批判もある。サーバ処理の不安定さと併せ、当然修正されるべきだろう。
しかし、これがComputational Photographyのカテゴリーの一つとして、進化していくべき道であるのは確かだろう。より正確なEnhanceができるよう、対象にしたい人の写真のみを学習データとして提供するなど、さらに強化するための方法も出てくるはずだ。というか、そうしてほしい。
妻の鮮明な顔を見るには、自分で3Dモデルを作るか、自分で絵を描くしかないと思っていた。だけど、この技術で彼女と目が合った。そんな気になった。この魔法には、さらに進化して、過去の写真から3Dモデルを作るとかまでいっちゃってほしい。
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過去を振り返りまくる連載。音楽、映像、コンピュータ、テクノロジーをタイムトラベルしながら新たな発見をしていく。
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