Apple Musicの“追加料金無しでハイレゾ提供”が楽曲販売に与えるインパクト インディーレーベル運営者の視点(1/4 ページ)
Apple Musicが6月からハイレゾとイマーシブオーディオ(AppleはDolby Atmosに対応した空間オーディオと称する)に対応するというニュースが飛び込んで来た。すばらしい。何にも増して、追加料金なしで楽しめるという点が美しい。ただ、レーベル関係者の中には、抵抗感を覚える人もいるのではないか。
これまで、ハイレゾやイマーシブオーディオコンテンツの価格設定は、「音質や没入感の向上」を錦の御旗に、ロッシー(MP3やAACなどのようにデータが圧縮され一部の情報が欠損している)音源より高額な設定で、エクストラチャージを強いていた。例えば、moraでダウンロード販売しているEaglesの「Hotel California (2013 Remaster) 」は、ロッシー音源が1517円なのに対し、192.0kHz/24bit版は2200円。ユーザーはハイレゾという付加価値に700円近い追加料金を支払っていることになる。
それは、マーケティング戦略として当然のことのように思えるが、音楽業界の末端でインディーレーベルを運営している筆者としては、どこか違和感があった。
というのは、筆者が制作に携わる音源の場合、マスター音源は、すべて96〜192.0kHz/24bitで作成している。インディーレーベルとプラットフォームを仲介するアグリゲーターに納品する際、ハイレゾマスターはそのまま納品可能だが、ロッシー音源は、コンピュータのリソースを消費して44.1KHz/16bitにダウンコンバートして納品する必要がある(ロッシーへの変換はプラットフォーム側が実施する)。
つまり、原価を考えれば、余分なリソースを消費している分、ロッシー音源の方がコスト高になっているわけだ。原価積み上げの考え方で価格を決めるのであれば、ロッシー音源の方が高額に設定しなければならない。制作環境によっては、マスタリングソフトからワンストップで複数のフォーマットが書き出せるので、コストは変わらないという向きもあろうかと思うが、それはそれで、同じコストじゃないか、という話になる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO不正アクセス、犯人側は「27日に顧客のPC攻撃」予告 GMOが端末回収、ホワイトハッカーが解析中
-
2
GMO熊谷代表「社内ホワイトハッカーが事前に指摘」も対策遅れ、国に「能動的サイバー防御」要請 「責任転嫁では」SNSで批判も
-
3
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
4
GMO、PCのバックアップと電源オフ呼びかけ VPS利用者に きょう正午の攻撃予告受け
-
5
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
6
「年齢は合ってますが、人間ではありません」 6歳の飼い猫に届いた“進研ゼミの案内” なぜ届いたのかベネッセに聞いた
-
7
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
8
Apple、「iPad mini」を大幅刷新 8.5インチOLEDとA20 Pro搭載、防水にも対応 11万9800円から
-
9
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
10
グッスマに不正アクセス、公式EC閉鎖 会員の住所や注文履歴など漏えいか 再開目処立たず
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR