小寺信良のIT大作戦
もがくオーディオメーカー コンシューマーオーディオはどこへ行くのか? ゼンハイザー、オンキヨーの身売りで考える(2/4 ページ)
オンキヨーの紆余曲折
一方で国内オーディオメーカーとしては大手のオンキヨーが、債務超過状態を解消できず、2021年7月ごろには上場廃止の見込みとなった。それと合わせて、ホームAV事業をシャープや米VOXX Internationalへ事業譲渡すべく、協議を行うことが明らかになった。
シャープとはもともと2018年からテレビ用スピーカーシステムで協業しており、白物家電が好調だからこそ余裕があるということだろう。さらにオーディオ製品にはそれほど強いものがなく、AQUOSブランドのサウンドバーと肩掛け型スピーカーがある程度である。
一方米VOXX Internationalは、米国でのオンキヨーの販売代理店となっている11 Trading Companyの親会社である。またオンキョーとシャープはマレーシアでジョイントベンチャーの生産会社を立ち上げており、この販売をVOXXが行ってきたことから、こちらも関係が深い。
オンキヨーの創業は1946年だが、実は1957年から東芝グループの傘下であったことはよく知られていない。この資本関係は、東芝がバブル崩壊で経営悪化する1993年まで続いた。
独立後は多くの会社と資本・業務提携を繰り広げてきた。
2007年にPCメーカーのSOTECを買収、2012年には老舗ギターメーカーのGibson、日本のオーディオメーカーTEACとも資本・業務提携を行った。2015年にパイオニアのホームAV事業を買収、また同年KAWAIとも資本・業務提携した。
SOTECブランドは既にないが、パイオニアブランドはオンキヨーの下にある。今回の事業譲渡にパイオニアの文字はなく、今後同ブランドがどうなるのか気になるところである。
オンキヨーはもともとスピーカーメーカーで、オーディオコンポブームの時代に多くの銘機を生み出してきた。現在も主力はスピーカーで、AVアンプ、ミニコンポなども製品数が多い。
一方イヤフォン・ヘッドフォンでは、2016年に完全ワイヤレスの「W800BT」がタイミングもよく、かなりの人気商品となった。だがBluetoothコーデックがSBCしか対応しておらず、時代の流れを読み切れていなかった。
後継機が期待されたが、イヤフォンの大半はパイオニアブランドで展開しており、オンキヨーブランドは少ない。2019年には米Klipsch(クリプシュ)の代理店にもなったことから、ますます自社ブランドでイヤフォンは展開しづらくなった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
小寺信良のIT大作戦
ベテランのテクノロジーライターである小寺信良さんがIT分野全般にわたって考察する。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
2
「年齢は合ってますが、人間ではありません」 6歳の飼い猫に届いた“進研ゼミの案内” なぜ届いたのかベネッセに聞いた
-
3
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
4
GMO熊谷代表「社内ホワイトハッカーが事前に指摘」も対策遅れ、国に「能動的サイバー防御」要請 「責任転嫁では」SNSで批判も
-
5
グッスマに不正アクセス、公式EC閉鎖 会員の住所や注文履歴など漏えいか 再開目処立たず
-
6
ジョーシンへの不正アクセス、最大623万件漏えいか 運転免許証2件・マイナカード1件なども
-
7
野村総研、サイバー攻撃時の「能動的なシステム停止」を支援する新サービス
-
8
タイムズカー流出で顧客らが損害賠償求め運営会社提訴へ サイト開設の弁護士が記者会見
-
9
Xの「いいね」長押しで1ドル送金 マスク氏が“投げ銭”機能を予告
-
10
たばこ休憩なき時代の“一服”をどう取るか 温熱と“聞こえない音”で休む、JT子会社のアイマスクを試す
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR