小寺信良のIT大作戦

もがくオーディオメーカー コンシューマーオーディオはどこへ行くのか? ゼンハイザー、オンキヨーの身売りで考える(3/4 ページ)

構造が変化した音楽リスニング

 筆者がいちいちイヤフォンへの展開に拘る理由は、音楽の聞き方が昔とは変わってしまったからである。今音楽ソースはネットのストリーミングが主体であり、メディア再生ではない。再生装置はミニコンポではなく、スマートフォン+イヤフォンが主力だ。

 Bluetoothスピーカーがばか売れした時代もあったが、家族全員巣ごもりの時代に、一人だけスピーカーで音楽をガンガン聴くという用途が減ってきた。そんなイヤフォン全盛時代、数を捌(さば)いているのは米Apple、米Anker、オランダJabraといったIT企業だ。特に完全ワイヤレスは、スウェーデンのEarinのようなITベンチャーが切り開いた分野である。

photo イヤフォン市場を席巻しているApple AirPodsファミリー

 スピーカーで数を稼いでいるのは、米Amazon、米Googleのスマートスピーカーだ。これらはBluetoothスピーカーというジャンルでは統計に乗ってこないが、価格的にも製品サイズ的にも競合する。

 家庭内に2台3台あっておかしくないという製品であり、さらに新製品が出れば毎年、もしくは2年に1回程度は買い替えてるという人もいる。

 これは、スマートスピーカーが単なる音楽の出口ではなく、情報機器だからだ。こうした傾向は、1人1台が標準になったスマートフォンと傾向が似ており、一般のBluetoothスピーカーには見られない傾向である。

 オーディオの名門といわれたメーカーが立ち行かなくなったのは、IT市場の波に乗れなかった、という分析は成り立つ。ではどのような乗り方をすればよかったのか。

 ゼンハイザーやオンキヨーが自社ブランドで、ITですスマートですといって製品を出しても、オーディオブランドに疎いITガジェットユーザーには響かない。今この方法で戦って通用しているのは、ソニーとJBLぐらいだろう。

印刷する
SNSでシェア
SpecialPR

小寺信良のIT大作戦

ベテランのテクノロジーライターである小寺信良さんがIT分野全般にわたって考察する。

この連載の記事をもっと見る

この記事の著者

関連記事

こんなメディアも見られています

ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。

メールマガジンを配信中
メールマガジンを配信中

国内外の業界動向、AIやクラウドなどの最新技術、キャリア情報など今知りたい情報をまとめてお届けします。

いますぐご登録

本日の新着記事

アクセスランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

ITmedia NEWS SNS

X @itmedia_newsをフォロー

インフォメーション

ITmediaNEWSをフォロー

あなたにおすすめの記事PR