小寺信良のIT大作戦
Apple Music「ロスレス配信」の本質と、現実的な楽しみ方(3/3 ページ)
歴代のiPhoneをお持ちの方なら、アナログ端子がなくなってしばらく標準で付属していたヘッドフォンアダプターがあるはずだ。あれは48kHz/24bitまでなら変換できるので、多くの楽曲で十分対応できるはずだ。iPadはモデルによってイヤフォン端子があったりなかったりするのだが、イヤフォン端子があるならこれも48kHz/24bitまで対応できる。
もう一つの選択肢としては、Macで再生するという手がある。Macはいまだにアナログ端子を廃止しておらず、イヤフォンをつなげばかなりの高ビットレートまで聴くことができる。
設定アプリの「Audio Midi設定」では、イヤフォンをつないだ状態で96kHz/32bitまで対応しているのが分かる。ただ、Mac内蔵のアナログアンプのスペックが公開されておらず、どれぐらいの特性なのかが分からない点はご留意いただきたい。
192kHz/24bitまで保証された機器で聴きたいというのであれば、USB接続のハイレゾ対応DACがある。昔はかなり高かったが、今ではポータブルアンプと同じく1万円台から製品があるようだ。上を見ればきりがない世界なので、ロスレスがどんなものなのか、まずは勉強として価格のこなれたものを買ってみるのがいいだろう。
従来のAACとロスレスの違いが分からないからといって、それは恥ずかしいことではない。世の中にはHDと4Kの見分けがつかない人だってたくさんいるのだ。音の違いなど、なおさらである。高いものを買えば分かるかもしれない、と考えがちだが、オーディオは10倍高いものを買っても音が10倍良くなるわけではない世界である。自分の資質をわきまえた投資をするべきだ。
そもそもわれわれの最終目的は音楽を心地よく楽しむことであって、ハイレゾデータをモニターすることではない。人の好みは千差万別で、それは対応周波数レンジやダイナミックレンジだけでは決まらないものである。
今の段階では、まずは普段聴くものがCD以上の品質になったことを喜びつつ、リーズナブルな方法をいろいろ試してみるというのが、心地よい楽しみ方というものだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
小寺信良のIT大作戦
ベテランのテクノロジーライターである小寺信良さんがIT分野全般にわたって考察する。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
3
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
4
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
5
GMO不正アクセス、犯人側は「27日に顧客のPC攻撃」予告 GMOが端末回収、ホワイトハッカーが解析中
-
6
GMO、攻撃者による情報公開を確認 顧客データ含むか調査中 追加の見舞金も検討
-
7
GMO、攻撃者の公開情報に「アクセスは絶対に控えて」 悪質な拡散者には法的措置を準備
-
8
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
9
GMO熊谷代表「社内ホワイトハッカーが事前に指摘」も対策遅れ、国に「能動的サイバー防御」要請 「責任転嫁では」SNSで批判も
-
10
「年齢は合ってますが、人間ではありません」 6歳の飼い猫に届いた“進研ゼミの案内” なぜ届いたのかベネッセに聞いた
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR