“早すぎたメタバース”Second Lifeとは何だったのか 再ブームはあり得るか?(2/3 ページ)
そこには「わかりやすい未来」があった
筆者が初めてSecond Lifeに降り立ったのは2006年。アプリをインストールして自分のアバターをデザインし、日本人が作った街「Nagaya」に降りたち、感激した。そこはまさしく“未来のインターネット”に見えた。
鯉が泳ぐ小川沿いに、美しい長屋が立ち並ぶ。時々「にゃおん」というネコの声が響く。居酒屋があり、脱衣場を備えた温泉施設もある。初対面の人に「ITmediaの記者さんですか? 取材頑張ってください」と声を掛けられる。
当時日本では、SNS「mixi」の全盛期。いわゆるWeb2.0ブームの勝者が見えてきたころだ。テキスト文化がネットの中心で、ユーザーには課金せず、集客力を武器にした広告モデルがビジネスの主流だった。いかにも“インターネット的”で、ネットに慣れていない人にとって、文化もビジネスモデルも斬新すぎた。
一方でSecond Lifeは、現実世界と似た3D空間がネット上に再現されている点、そして、現実と似た“課金ビジネス”が行われ、実際に現金を稼いでる人がいるという点が分かりやすく、ネット慣れしていないメディアや、大企業の幹部などにも強いインパクトを与えた。
メディアと企業が「作った」ブーム
当時のブームのきっかけは、2006年5月の米BusinessWeek誌の特集だと言われている。
Second Life内での不動産売買で100万ドル(約1億1000万円/当時)を稼いだというアンシェ・チェン氏が同誌の表紙を飾ったのだ。仮想世界で億万長者が現れた――米誌がこぞって報道し、Second Lifeへの熱狂が始まった。
06年10月には英ReutersはSecond Life内に“支局”を開設。米IBMやDELLといった大企業の拠点や、有名大学の仮想キャンパスなども次々に設置され、メディアと企業がこぞって参入した。
日本では、06年末に日本経済新聞が1面に記事を掲載したことでブームに火が付いた。日本の企業も次々に参入。電通がSecond Life内に複数の島を確保し、“バーチャル東京”をオープンしたことは大きな話題に。日本でも、企業による参入と、メディアによる報道が相次いだ。
とはいえ、2007年当時の、Second Lifeのアクティブユーザー数は約100万人、同時接続数は数万程度。登録・アクティブユーザー数とも当時のmixi(2007年3月でアクティブユーザー約600万人)にすら劣っていたし、現在のグローバルサービスとは比較にならないほど小規模だ(例えば、Facebookの月間アクティブユーザー数は28億人、「フォートナイト」は最大同時接続1230万人)。
「ブーム」のはずなのに、なぜユーザーが少なかったのか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
3
GMO、不正アクセス実行犯の手がかりに懸賞金 1億5000万円規模
-
4
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
5
GMO、攻撃者の公開情報に「アクセスは絶対に控えて」 悪質な拡散者には法的措置を準備
-
6
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
7
So-net、会員情報約259万件が漏えい 一部メールサービスではパスワードも流出
-
8
メアドを検索→AIで“その人専用フィッシングメール”を生成する手法、クリック率が約2.7倍に 7000人以上で実験
-
9
「自分の個人情報が漏えいした……どうすれば?」 IPAが対処法公開
-
10
GMO不正アクセス、犯人側は「27日に顧客のPC攻撃」予告 GMOが端末回収、ホワイトハッカーが解析中
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR