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IBM、Second Life内の複合施設を一般に公開

» 2006年12月19日 07時58分 公開
[ITmedia]

 米IBMは12月15日、家電製品販売の米Circuit City Storesとの提携を発表した。提携は、バーチャル世界と3D環境を小売業ビジネスモデルへ活用することを目的としたもの。IBMは、米Linden Labsが運営する3D仮想世界「Second Life」内に設置している複合施設を12月18日の週に一般公開予定で、Circuit Cityは、バーチャル試験店舗をIBMの複合施設内に設置する。

 Circuit Cityのバーチャル試験店舗では、Circuit Cityの実際の店舗やオンラインショップで購入できる製品を3Dで陳列し、より豊かなオンラインショッピング体験を提供する。例えば、ユーザーがバーチャル世界内の自分の分身を使ってバーチャル店舗を訪れ、店舗内を歩きながら製品を選択、インターネットで実際に製品の注文や配達手続きを行う、といった実験が検討されている。また、ホームシアター設置サポートサービスも検討中。このサービスでは、顧客は現実世界の自宅と同じ間取りの家をバーチャル世界に設置し、そこで部屋のサイズに最適なTVのサイズを検討したり、スピーカーなどのコンポーネントの設置場所の決定に活用できるという。

 また両社では、バーチャル世界のカスタマーサービスへの活用も検討中。たとえば、製品の故障などの技術的な問題を抱えた顧客は、バーチャル世界でその製品の修理方法を3Dで「体験」することで、現実世界で実際に修理を自分で行うことができる。また製品マニュアルの代わりにバーチャル世界で製品を使用して機能を試す、といったことも検討しているという。

 IBMでは、バーチャル世界と3D環境を小売り環境に活用するためのプロジェクトを行っており、Circuit Cityとの協業はその一環。プロジェクトは、バーチャル世界でビジネスを行うだけでなく、バーチャル世界と現実世界を結んで、より豊かな没入環境をWeb上に作り出し、ビジネス上の問題解決に活用することを目的としている。

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