分かりにくいけれど面白いモノたち
光で髪を乾かすドライヤー「Zuvi Halo」、販売元に聞いたその原理と“向き不向き”(1/3 ページ)
「Zuvi Halo 光ヘアケアドライヤー」は、製品名からも分かる通り、熱ではなく光によって髪を乾かすというヘアドライヤーだ。最初にその情報に触れた時は「何、それ?」と思った。光で乾かすという言葉の意味がよく分からなかった。
分からないけど、試してみる機会があったので、使ってみたら、確かに熱い風は出ないのに、髪はちゃんと乾く。しかも、なんというか、しっとりとした感じを残したまま乾くので、髪が痛んでいる感じが少ない。この手の新製品に懐疑的な妻が珍しく「これはいいね」と言うのにも驚いた。
資料によると「雨上がりの水たまりが太陽の光で蒸発するのと同じ原理」だというのだけど、どうもピンと来ない。いや、確かに、別に高温でなくても水たまりの水は蒸発するし、晴れれば濡れた道路も結構すぐ乾く。だからといって、それが髪が乾く理屈になるような気がしないのだ。考えていても仕方がないので、とにかく、取材を申し込んで、このドライヤーの仕組みについて話を聞いてきた。
Zuviの日本での代理店であるZuvi Japanの代表取締役、川中良之さんは「この製品は、Zuviが家電メーカーとして発足して最初の製品なんです。2021年の8月にコードレスタイプを発売して、2022年1月にこのコードが付いている製品を出したばかりの新しいメーカーです。創業に当たって、日々使うものを作りたいということ、その中でも、根本的に原理から見直すことで、使い勝手を変えていけるものがあるのではないか、ということを考えたそうです」と開発経緯について話してくれた。
ドライヤーに行き着いた背景については「ドライヤーという道具が、19世紀初頭に作られたその最初から、コイルと抵抗を使って熱を発するという仕組みが使われていて、それが今も現役であるということがありました。その仕組みではない技術を使えば、この当たり前にある製品を抜本的に変えられるのではないかと考えたんですね」と川中さん。
その時に思いついたアイデアが、太陽の光と風によって洗濯物や塗れた道路が乾く、自然の乾燥の原理だった。そこを起点に、太陽光の何が乾燥につながるのかなど研究を重ねて辿り着いたのが、近赤外線から中赤外線の下の方あたりの光が水に吸収されて、そのまま蒸発するという原理。ただ、それだけでは乾燥に時間がかかってしまうので、そこに風で水滴を吹き飛ばす方法を加えた。
川中さんは続ける。「ダイソンさんのドライヤーなどもそうですけど、風で水滴を吹き飛ばすという発想も、1つのドライヤーの新しい原理です。この製品も、1分あたり10万5000回転の自社開発モーターを搭載しています。ダイソンさんのモーターが11万回転ですから、風量だけで見ても遜色はないと思っています。この風量で髪表面の水滴を吹き飛ばしつつ、光で蒸発させているのが、このドライヤーです」。
そして、光については、光源から近赤外線を効率的に取り出すための、120層に及ぶチタンによるミラーコーティングが構造上のポイントになっている。このミラーコーティングによって赤外線は取り出されるが、紫外線などの他の波長の光はほとんど外に出ないため、光としても安全なものなのだという。ドイツのTUV Rheinland(技術、安全性などに関する認証機関)という試験機関でのテストで、安全な光であるという検証も済ませている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
分かりにくいけれど面白いモノたち
ITから文房具まで幅広く活躍するベテランライター、納富廉邦さんが言語化しづらいけど面白いガジェットやサービスを分かりやすく解説します。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
Anthropic、「Claude Opus 5」公開 Fable 5に迫る性能を半額で――サイバー安全策は緩和、拒否時は自動フォールバックも
-
3
「iPhone高騰」はこれからも続く? 中国CXMTに近づくApple、メモリ競合へのけん制が不発に終わりそうなワケ【後編】
-
4
「ニューロマンサー」実写ドラマ、Apple TV+で2027年1月配信開始へ
-
5
海外の新作バカゲー「電車アタック」にマンガ家が感心した理由 ブッ飛んだ内容と完成度の高さ、そして“日本”
-
6
「めっちゃカメレオン」公式Discord乗っ取り 担当者PCがマルウェア感染、管理者が全員BANに 現在は復旧
-
7
暑さ対策が熱い! 「猛暑対策展」で感じた、転んでもただでは起き上がらない日本人のエネルギー
-
8
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
9
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
10
スーパーに並んだ「ごちゃごちゃ生成AIポップ」が物議 “看板王”こと、きぬた歯科院長「これはアリ」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR