房野麻子「モバイル新時代」
携帯の大規模障害にどう備える? フルローミングかデュアルSIMか キャリアと官庁の考えは(2/4 ページ)
「呼び返し」の必要性が焦点に
第1回会合では検討事項が整理されたほか、標準技術に準拠した方式に基づいた、緊急通報発信のみのローミング、電話・データ通信をも含むフルローミング、SIMなし発信を行う場合、それぞれのパターンについての動作を、通信事業者の業界団体である電気通信事業者協会(TCA)が説明。問題点などを指摘した。
例えば、緊急通報のみのローミングや、SIMが入っていない端末からの発信の場合、緊急通報受理機関からの「呼び返し」(折り返し電話)ができない。しかし、日本では緊急通報で呼び返しができなくてはならない。これは法律で決められている。
第3回会合で緊急通報の対応について説明した警察庁、消防庁、海上保安庁も、呼び返しは「不可欠」との立場だ。特に海上保安庁は、緊急通報を受理した場合、ほとんどの場合で呼び返しを行っているという。船は海流に乗って動くので、通報時に端末のGPSで位置を把握しても、時間が経つと船は移動してしまい、通報者にすぐたどり着けないことがあるという。
ただ、3者は「通報自体ができないよりは、呼び返しなしの緊急通報でもできた方が良い」という姿勢も示している。
電話・データ通信も含むフルローミングについては、呼び返しはできるが、ユーザー自身で他社ネットワークに接続するための設定操作が必要だったり、他社ユーザーによってネットワークがひっ迫したりする懸念が指摘された。また、加入者データベースが被災、あるいは障害がある場合、現状の標準技術に準拠した方式ではローミングができない。KDDIの通信障害は加入者データベースが輻輳(ふくそう)状態になったことで大規模障害になったが、標準の仕様ではローミングできず救済できないことになる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
房野麻子「モバイル新時代」
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「Xが情報収集に役立たない……」熊本地震で不満の声続出 「Twitterを返して」
-
2
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
3
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
4
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
5
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
6
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
7
携帯各社、熊本の一部で通信障害 震度7の地震で 他社回線につながる「JAPANローミング」開始【追記】
-
8
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
-
9
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
-
10
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR