房野麻子「モバイル新時代」
追い込まれた楽天モバイル、黒字化に向けなりふり構わず 楽天市場の出店者にも契約依頼(2/3 ページ)
22年10月まではキャッシュバックやポイントバックを提供する猶予期間だったが、11月からは全ユーザーが有料プランの契約者になり、収益自体は改善している。ARPUも22年第1四半期が837円のところ、第3四半期は1472円まで上がってきた。
4000円前後になる他の3キャリアに比べるとまだかなり低いが、前述の通り、楽天モバイルユーザーは、グループ内サービスの利用や楽天市場の購買額が非ユーザーよりも多い。グループ内サービスとのシナジーで通信ARPUの低さをカバーしていけると考えているようだ。
ただ、携帯電話事業の収益は、契約者数とARPUのかけ算になる。ARPUを上昇させるとともに、0円廃止で減ってしまった契約者数を増加させなくてはならない。楽天モバイルが黒字化するには1500万契約以上が必要との見方もある。
同社が契約者数アップのために注力しようとしているのが地方だ。人口カバー率が95%を超える東京23区では楽天モバイルへの申込率が10%を超えているが、カバー率が低い地方では申込率も低い。地方のエリア拡充が必要と考えているはずだ。
そこで狙っているのが、プラチナバンド。22年10月の電波法改正で、割り当て済みの周波数を比較審査で再割り当てする仕組みが導入されることを受け、楽天モバイルはプラチナバンドの再割り当てを強く要望している。総務省の「携帯電話用周波数の再割り当てに係る円滑な移行に関するタスクフォース」では、周波数の移行期間や移行費用の負担の在り方などを中心に白熱した議論が行われた。
タスクフォースでの議論はドコモ、KDDI、ソフトバンクの既存3社と楽天モバイルの主張がほぼ平行線のまま終わったが、まとめられた報告書は、楽天モバイルの要望がほぼ受け入れられた形となった。
一方で、既存3キャリアが持つプラチナバンドを譲渡するのではなく、700MHz帯の挟帯域を携帯電話の4G用周波数として利用してはどうかという提言がドコモから出され、活用の技術的条件について検討を行っている。活用が検討されている700MHz帯は、標準化団体の3GPPでバンド28として国際規格化され、端末や基地局は標準的に対応しているバンド。また、使われていない空きバンドなので、割り当てが決まればすぐに使い始めることができる。
検討結果は今春、取りまとめられる予定で、この件について楽天モバイルは歓迎の意を示しているが、果たしてプラチナバンド譲渡の代わりになるのかは見えない状態だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
房野麻子「モバイル新時代」
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO不正アクセス、犯人側は「27日に顧客のPC攻撃」予告 GMOが端末回収、ホワイトハッカーが解析中
-
2
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
3
GMO熊谷代表「社内ホワイトハッカーが事前に指摘」も対策遅れ、国に「能動的サイバー防御」要請 「責任転嫁では」SNSで批判も
-
4
「年齢は合ってますが、人間ではありません」 6歳の飼い猫に届いた“進研ゼミの案内” なぜ届いたのかベネッセに聞いた
-
5
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
6
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
7
Apple、「iPad mini」を大幅刷新 8.5インチOLEDとA20 Pro搭載、防水にも対応 11万9800円から
-
8
ジョーシンへの不正アクセス、最大623万件漏えいか 運転免許証2件・マイナカード1件なども
-
9
グッスマに不正アクセス、公式EC閉鎖 会員の住所や注文履歴など漏えいか 再開目処立たず
-
10
野村総研、サイバー攻撃時の「能動的なシステム停止」を支援する新サービス
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR