分かりにくいけれど面白いモノたち
トンボ鉛筆のデザインペン「ZOOM」が復活 迷走の末に辿り着いた“1本の美学”とは?(4/8 ページ)
ジュラルミン製の軸を持つ「ZOOM C1」
パッと見には、スッキリした曲線に落ち着いた色調の高級ボールペンといった佇まい。しかし、よく見るとノックボタンは宙に浮いているように見える。そして、素材もアルミのようだが、もっと硬いイメージがある。この軸、実は、筆記具には珍しく、ジュラルミン製なのだ。アルマイト加工で鈍く光る佇まいの重厚さが新鮮。
「本当にジュラルミンが必要かというと、筆記具として考えればオーバースペックです。ただ、このペンの場合、塊感と浮遊感という相反する2つを1本の中で表現したかったんです。アルミというと、アルミ缶のイメージが強くて、柔らかいものに見えてしまうと思うんです。その点、鉄鋼材に匹敵する硬さがあるジュラルミンだと塊感が出るし、ソリッドな感じにもなったと思います。それを表現するために、実は軸の曲線も、1つのアールではなくて、複数のアールを細かく組み合わせています。ただ、それも感覚的なものなので、手で描いてみて、何個もモデルを作ってもらって、それを手にしないと分からないんです。よく設計の人たちが付き合ってくれたと思います」(国府田氏)
塊感があって、手にした時にしっくりくる曲線を作るために、ほとんど見た目は同じ軸をいくつも試作したのだという。製造しやすさよりもデザインを優先するというのは、文具メーカーではかなり珍しいのだが、この場合、デザイン・コンセプトを優先するシリーズなので、こういうこともできた。ずっと、デザインペンに取り組んできたトンボ鉛筆ならではといえそうだ。
そして「ZOOM C1」の大きな特長である、浮かんで見えるノックボタンについても、イメージを色々と描いてみる過程で思いついたのだそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
分かりにくいけれど面白いモノたち
ITから文房具まで幅広く活躍するベテランライター、納富廉邦さんが言語化しづらいけど面白いガジェットやサービスを分かりやすく解説します。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
3
GMO、不正アクセス実行犯の手がかりに懸賞金 1億5000万円規模
-
4
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
5
auメールで朝から障害 全国で利用しづらい状況に
-
6
Apple、M6搭載の14インチ「MacBook Pro」発表 AI性能向上、33万9800円から
-
7
IPO目論見書に「AIは人類の存亡リスク」「コードの9割はClaude製」 Anthropicが示した規格外の見立て
-
8
So-net、会員情報約259万件が漏えい 一部メールサービスではパスワードも流出
-
9
GMO、攻撃者の公開情報に「アクセスは絶対に控えて」 悪質な拡散者には法的措置を準備
-
10
メアドを検索→AIで“その人専用フィッシングメール”を生成する手法、クリック率が約2.7倍に 7000人以上で実験
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR