SFプロトタイピングの事例を紹介
「頭がいつもと違う動きをした」 星空の下、“SF思考”で議論 生まれたアイデアは? NECとコニカミノルタの共創を追う(3/4 ページ)
場をセットしたcolor=purple◇コニカミノルタ◆◆
135億年を凝縮したプラネタリウム 「未来に飛ぶのに良い場所」
大橋 コニカミノルタのお二人は、ワークショップを終えられてどのような感想をお持ちですか。
神谷 未来を考えることは、仕事で日常的にやっています。しかし、今日のようなプラネタリウムというロケーションでやるのはなかなかない経験です。雰囲気も良く、リラックスしてできました。
SFプロトタイピングは知っていましたが、われわれが未来を考えるアプローチとしては「スペキュラティブデザイン」「トランジションデザイン」といったデザイン手法を使って視覚的に訴える取り組みが多く、SFプロトタイピングのような言葉によるストーリーを作ることはしてきませんでした。しかし、言葉は誰でも理解できるし、自分なりに解釈もできます。ストーリーを作るといろんな人が意見を言い合える。そこは面白いと思いました。
大江原 イマジネーションを広げることを、言葉でできるということを実感しました。ファシリテーターの宮本道人さんのチョイスも良くて、言葉によって発想を飛ばせてくれたという実感はあります。
神谷泰史(コニカミノルタ)
Copenhagen Institute of Interaction Design(CIID)修了。情報科学芸術大学院大学博士後期課程在籍。TAKT PROJECTアートストラテジスト。アート、デザイン、ビジネスの間をつなぐ方法論の研究と実践を行う。2019年よりコニカミノルタに入社。イノベーションデザインマネジメントとして、コニカミノルタデザイン思考の体系化と社内浸透、新価値創出スタジオ「envisioning studio」の立ち上げ、社内外との未来価値共創の推進を行う。
大江原容子(コニカミノルタ)
デザインセンター所属。UXデザイナー。複合機のアプリや新規事業のデザインに携わり、現在はコニカミノルタ直営のプラネタリウム施設全体のデザインを担当。2017~2022年にプラネタリウム満天、プラネタリウム天空、プラネタリア TOKYO、プラネタリア YOKOHAMA 、プラネタリウム満天 NAGOYAの直営5館でグッドデザイン賞を受賞。
大橋 大江原さんはプラネタリウム空間のデザインを担当されているのだとか。宇宙とSFは親和性も高いと思います。未来を考える場所としてプラネタリウムは良い空間だと思いました。
大江原 おっしゃる通り、宇宙から未来はイメージしやすいですよね。プラネタリウムは未来に飛ぶのに良い場所だと改めて感じました。これからプラネタリウムでのワークショップが流行れば良いですね(笑)
大橋 ワークショップの冒頭、プラネタリウムの紹介で「プラネタリウムは、現在観測されている135億年分の星空のデータベースを自由自在にビジュアライズすることで、人々の『観たい』に応えています」とありました。この135億年分の星空のデータベースという表現は面白いと思いました。本当に135億年分の全星空のデータベースがあるわけではなく、観測されている最も古い銀河が135億年前なので、地球軸というより宇宙軸での135億年なのですが、逆にロマンがあると思いました。
大江原 プラネタリウムのメンバーから出てきた言葉です。「いいね」となって採用しました(笑)
神谷 われわれは、モックアップを作るなどして普段から未来を形にしてきましたが、SFプロトタイピングは文章で未来を形にする。そのプロセスが興味深い点です。今回なら135億年と聞くとロマンを感じる。そこは文章の強みだと思います。
大橋 今回のセッションでは未来に飛べましたか?
大江原 135億年からその気になっていました(笑)
神谷 われわれがビジネスを考えるとき、今を起点にして3年先、5年先を考えます。100年、200年単位で考えることはありません。それに対して星は135億年という果てしない時間があり、そこからイメージがインプットされる。発想できることは多々あると思いました。
大橋 他社とコラボレーションする意義をどうお考えですか?
神谷 私が所属している「envisioning studio」(エンビジョニングスタジオ)という組織では、自社の従業員だけでなく社外のクリエイターや他企業の方と共同でプロジェクトを行っています。最近では、感性的なところに興味がある方とコニカミノルタの祖業である写真を起点に未来を描くワークショップを行いました。
社内では同じ文化を共有している人たちなので発想の幅が限定されるものですが、外部の方が入ると一気に広がります。そこは取り入れたいと考えています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
「SFプロトタイピング」で“未来のイノベーション”を起こせ!
SFの力をビジネスに生かす「SFプロトタイピング」という手法があります。現実を取り払って“未来のイノベーション”を生み出す可能性を秘めたこの取り組みについて、実際にSFプロトタイピングを実践している筆者が紹介します。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
【復旧】auで大規模障害 全国で通話・データ通信しづらい状態 緊急通報にも影響
-
2
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
3
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
4
GMO、不正アクセス実行犯の手がかりに懸賞金 1億5000万円規模
-
5
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
6
【復旧】auで通信障害 全国の5G SA契約者の一部で
-
7
KDDI、東日本エリアで一時通信障害 ドコモ・ソフトバンクに続き連日で発生
-
8
auメールで朝から障害 全国で利用しづらい状況に
-
9
メアドを検索→AIで“その人専用フィッシングメール”を生成する手法、クリック率が約2.7倍に 7000人以上で実験
-
10
IPO目論見書に「AIは人類の存亡リスク」「コードの9割はClaude製」 Anthropicが示した規格外の見立て
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR