「AIの遺電子」と探る未来

人は4本の手を扱える?体は何個まで?→「体もう1つは余裕」 身体拡張の可能性を東大・稲見教授に聞く(3/5 ページ)

山田 僕、自分の世界観がコンサバなので稲見先生的にはご不満かもと思いながら聞きに来たんですが、意外とそうでもなかった、ということですかね?

稲見 やっぱりプロレス形式にしましょうか?

山田 www

6本目の指、3本目の腕を人はどう認知するの?

山田 ちょっと研究のことを理解し切っていなくて恐縮なんですけど、例えば指や手を増やすとき、認知的にはどうなってるんですか? 要するにもう1個の手を動かすっていう感覚が発生するんですか?

稲見 少なくとも6本目の指の場合はどういう風になっていくかというと、まず小指の外側に指が付く、そこに全体が黒い6本指の手袋をかけて、あんまり見た目で区別がつかないようにする。

 6本目の指の動かし方としては、腕の特定部位の筋肉をギュッと収縮するとクッと曲がるようになっています。ちょっと特殊な動作なんですが、そうやって動かしているとだんだん、小指の存在感があいまいになってくるんですよ。

山田 それは確かに脳の可塑性みたいな性質で感覚が塗り替えられていそうですね。

稲見 はい。そういうことはおそらくfMRIとかで見ても起きてるのではないかと言われています。さらに、しばらく使った後に外すと、幻肢痛まではいかないんですけど、なんか寂しい感じもするんです。

山田 ああ、自分の体の一部がちょっとなくなっちゃったみたいな。えー、めちゃめちゃ面白いですね。

インタビューは稲見・門内研究室で実施。後ろにはJIZAI ARMSなどのロボットアームや研究資料が並ぶ

 身体像の拡張というか、情報量を増やすってどこまでできるのかなってちょっと気になってて。

 つまり手ももう1本ある、足ももう1本あるような状態になったときに、それぞれを知覚して人間は動かせるんでしょうか。僕が今描いている話がちょっと近い話で、現実の体はあるんだけど、VRにも体がある。普通は、攻殻機動隊とかもそうですけど、ブスって首元とかにジャックインして、現実では寝て向こうの仮想空間に乗り移ってるっていうやつじゃないですか?

 そうじゃなくて、両方同時に体感し、両方同時に1つの脳でコントロールするっていう。そういうことが脳インプラントで可能になりましたっていうお話を今作ろうとして(編注:インタビューは6月に実施。該当の回は別冊少年チャンピオン8月号に掲載)。

 視覚も何て言うか、ARだったら目の前に浮きますが、そうじゃなくて別の視覚ってのがあって、それを独立した形で脳みそによる処理か可能になったみたいな。

「AIの遺電子 Blue Age」第34話「パラレル・ライフ」より

稲見 たかだか1個ぐらいの別の世界だったら余裕でいけると思います。

山田 いけますか!?

印刷する
SNSでシェア
SpecialPR

「AIの遺電子」と探る未来

7月開始のテレビアニメで注目を集める、人とヒューマノイドの共存を描いた近未来SF「AIの遺電子」。作者とAI専門家との連続対談がここに実現。

この連載の記事をもっと見る

この記事の著者

井上輝一
井上輝一

2016年3月からITmediaにジョイン。ITmedia Mobile、PC USER、LifeStyle、ヘルスケアで編集・執筆を兼務。2017年4月からITmedia NEWSでの兼務も開始。2019年4月にNEWS専属となる。スマートフォンやPCといったガジェット系の他、理系(神経科学)のバックグラウンドを生かして科学系のネタや、量子コンピュータ、ブロックチェーン、AIなど多岐に渡って取材している。

関連記事

こんなメディアも見られています

ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。

メールマガジンを配信中
メールマガジンを配信中

国内外の業界動向、AIやクラウドなどの最新技術、キャリア情報など今知りたい情報をまとめてお届けします。

いますぐご登録

本日の新着記事

アクセスランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

ITmedia NEWS SNS

X @itmedia_newsをフォロー

インフォメーション

ITmediaNEWSをフォロー

あなたにおすすめの記事PR