小寺信良のIT大作戦
ネット社会は「身元不明死」に対応できるか(3/3 ページ)
解決策になりうるSNSの存在
こんな例を見てしまうと、一人暮らしの高齢者にとって親しく友人とつながっているかどうかは重要だ。こうしたときに頼りになるのが、SNSである。高齢者はSNSなんか使わないだろうと考えるのは、認識が古い。
令和4年総務省公開の通信利用動向調査によれば、60代で88.8%、70代で65.5%、80歳以上で33.2%がインターネットを利用している。
SNSの利用率においても、インターネット利用者のうち60代で73.4%、70代で63.9%、80歳以上で63.8%が利用している。
シニア向けSNSとしては、「らくらくスマートフォン」購入者の受け皿として誕生した会員数260万人を誇る「らくらくコミュニティ」がある。Facebookも高齢化が著しいとしてオワコンという人もあるが、「らくらくスマートフォン」世代より下の高齢者が集う場所として盛況であるというのは、見逃せないところだ。
かく言う筆者もネット歴はパソコン通信時代までさかのぼるので、かれこれ35年ぐらいになる。その35年前にネットで知り合った友人達は、いまだFacebook上でつながっている。歳を取るにつれ、新たに信頼できる友人を作るのはどんどん難しくなっていくが、若い頃に知り合い、お互い実名や家庭の事情も知っている友人達とは、歳を取っても信頼度は変わらない。
こうした長年の付き合いは、とくに意識してそうしてきたわけではないが、実際に高齢者に近づくにつれて加速度的に重要性が増していくようだ。仮に一人暮らしになったとしても、SNSで頻繁にコミュニケーションしていれば、それが途絶えたときに友人達は数日で気付くだろう。
SNS元年は、Facebookとmixiがサービスインした2004年と見る事ができる。そこから20年、高齢者がSNSで他者とつながっていることは、生存証明という意味合いも加わってきた。世界中がどこも経験したことがない、先進国の超高齢化社会。古くからネットコミュニケーションが発達していたということが、先進モデルとなり得るかもしれない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
小寺信良のIT大作戦
ベテランのテクノロジーライターである小寺信良さんがIT分野全般にわたって考察する。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「Xが情報収集に役立たない……」熊本地震で不満の声続出 「Twitterを返して」
-
2
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
3
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
4
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
5
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
6
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
7
TSMC熊本工場、段階的に通常操業へ 熊本の地震で一時中断、従業員の無事確認 台湾報道
-
8
熊本「通れた道」マップ、トヨタが公開 ホンダも「通行実績情報マップ」
-
9
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
10
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR