まつもとあつしの「アニメノミライ」
マケイン×豊橋市 “超絶コラボ”実現の舞台裏 作品と地元をつないだキーパーソンたちに聞く【後編】(2/4 ページ)
豊橋に根付いた「恵子イズム」
――放送・配信開始が24年の7月ですが、ロケハンの開始が結構間際だったのですね
藤沢:マケインの場合は、原作のなかで舞台となった場所が実名で出てきますので、そういう意味では場所の選定を省いて、いきなりロケや作中に登場する許可を得る調整に入れたという点は大きいでしょうね。また恵子さんが地元で非常に顔が広い方でしたので「恵子さんに頼まれたらとことん一緒にやるしかない」ということで話も早かったのだと思います。
観光業界出身の恵子さんはいつも「市外から人を呼んで外貨を稼がないといけない」と仰ってました。ロケを通じて街の魅力を知ってもらい、訪問者を増やす。そして、訪れてくれた人が楽しくおカネを使ってもらえる商品を作る、ということですね。その一例が「豊橋カレーうどん」で恵子さんと一緒に何か仕掛けようよ、と盛り上がってうどん屋さんに協力してもらいご当地グルメをつくって全国にPRするに至っています。
ロケにおいてはいろんな要望が制作サイドから寄せられますが、いきなりNoと言わずに代案も考える、他の地域で断られたとしても豊橋なら何とか形にする、これまでの経験を生かして「次はこうなるな」と先読みして、われわれから助言も行うというモットーも恵子さんが掲げられたものです。
マケインでは小豆を売るお米屋さん――ちなみにモデルとなった米穀店はオリンピック女子マラソン代表の鈴木亜由子選手のご実家です――が登場しますが、ロケハン中にこの近くにお米屋さんはありませんかとのことで、近くのお米屋さんに連絡をして、急きょロケハンをさせていただきました。
――観光プロモーション課の加藤さんが仰っていたように、JR東海や豊橋市のコンテンツタウン構想の枠組みのなかで動くというのはこれまではなかったわけですね
藤沢:はい。フィルムコミッションはあくまで制作陣と動くのが基本です。ただ、恵子イズムにのっとって、作品をきっかけに街を元気にしていきたいということで、「豊橋まちあるきスタンプ」を9月29日からはじめました。これはJR東海さんの第3弾の市内周遊ボイスラリーとタイミングをあわせたものです。
フィルムコミッションは私も含め3人で現場を担当しているので、なかなか手が回っていないのですが、スタンプイベントをやるにはどうしたら良いか、版権使用料はどれ位かかるかアニプレックスさんにご相談しつつ、豊橋商工会議所青年部の方にもご支援いただきながら参加店舗を拡げていきました。
今回のスタンプは、アニメの版権そのものではなく、地元のイラストレーターの方にデフォルメキャラを描き起こしてもらい、そのお店や場所のイメージをあしらったりしているものですから、とても細かなところまでアニプレックスさんには監修をいただいています。とにかくはじめてのことなので、いろいろな苦労はありましたね。
――アニメをきっかけとした観光が生まれ、観光業というわけではない地元の事業者や関係者が、自分たちにも恩恵がある、ということを実感し「自分たちでもやろう/続けよう」ということになると良いですね
藤沢:今回の「豊橋まちあるきスタンプ」もそのきっかけになればと思っています。アニメ人気は世界でも強いですからインバウンドにも期待したいですね。そしてマケインを成功事例として、ほかの作品のロケも起点として観光化による街おこしにつなげていきたいと思います。
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