まつもとあつしの「アニメノミライ」
マケイン×豊橋市 “超絶コラボ”実現の舞台裏 作品と地元をつないだキーパーソンたちに聞く【後編】(3/4 ページ)
鉄道・駅を超えて拡がる「推し旅」
コンテンツツーリズムにおいて、ファンを現地に運ぶ交通機関が重要であることはよく知られるようになった。鉄道会社での取り組みは「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(2011)を起点とした秩父を舞台とした西武鉄道の事例(※)が注目されることが多いのだが、マケイン×豊橋でJR東海が果たした役割は送客にとどまらない。
※秩父市を事務局として秩父観光協会、秩父鉄道、西武鉄道、ちちぶ観光機構、秩父青年会議所、駿河台大学、ちっち倶楽部の8団体が参加して「秩父アニメツーリズム実行委員会」が2017年に設立され、秩父商工会議所が版権についての申請・支払をとりまとめている
あくまでも自社事業の販促という名目ではあるが、作品の放送・配信直後では地域での負担や体制の構築が難しい版権対応を通じて、その盛り上がりを支えることにも一役買っている。最後に豊橋でも第3弾のコラボが行われている「推し旅」事業を推進する福井氏に話を聞いた。
――マケイン×豊橋のコラボでは「推し旅」が早い段階から重要な役割を果たしてきました。まずこの事業の概要や目的を教えてください
福井:21年秋のまだコロナ禍の影響が色濃く、観光需要が落ち込んでいたころにスタートした事業で、平たく言えば推し活を楽しみたいファンの皆さまに移動や旅といったキーワードを通じてサポートを提供しようというものです。マケインのようなアニメだけでなく、アーティストやアイドルのライブ、特定の地域とひも付いていない「モンハン」のようなゲーム、さらには動物園やテーマパークなどさまざまな業界の方々と一緒に沿線でモノづくりをしていこうということを行っています。
究極的にはJR東海の沿線でのイベントにファンの皆さまが遠征するという形で新幹線をご利用いただくことが目的ですが、まずそのためにも沿線・地元を盛り上げることをさまざまやっています。
――従来、JRといえば「そうだ京都行こう」のように、観光地への送客を図ってきたわけですが、それとは異なるわけですね
福井:観光地を目指してもらう取り組みとは別に、若い人にまずは好きなアーティストやアニメなどの、いわゆる「推し活」を目的にその場所を訪れてもらい、そこで地域の魅力も体験してもらうことで、今度はその地域を訪れてもらいたい、ということに取り組んでいます。
――そんな中でも豊橋で断続的にかなり力を入れてコラボをおこなっているように見えます。コンテンツタウン構想、つまり「一緒に街おこしをしていこう」という動き方にも取材を通じて見て取れました
福井:確かに今年は豊橋×マケインのコラボが多かったですね。豊橋の場合、まず「モンハン」という豊橋に「ゆかりがない」コンテンツを街中に展開することで、ファンの皆さんにそこで楽しんでもらおうという取り組みがまずありました。近年テーマパークでアニメやゲームとのコラボが人気を集めていますが、あれを街という規模でやったらどうだろう、という思いで2年前に提案にうかがったんです。その際も「なぜ豊橋なんですか?」と加藤さんにも聞かれたんですが、特に(コンテンツとの縁という意味では)これと言った理由がないんです、と答えましたね(笑)。
新幹線の停車駅で、駅から1.5キロ圏内にコンテンツを楽しめるような「見る・食べる・遊ぶ・買う」といった体験ができる場所が整っていて、何よりもコンテンツ、これはモンハンに限らずですが――とコラボできそうな特産物――例えばヤマサのちくわとか、ブラックサンダーとか――が多いんです。ですので、まず豊橋市さんにお声がけしたというわけです。「コンテンツは私たちが誘致しますから、一緒にそれを展開できる場所づくりをしていきましょう」と。
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