小寺信良のIT大作戦

「メモ帳」の対応で脚光を浴びるMarkdown AI時代の“文書共有のスタンダード”になるか(2/2 ページ)

Markdownをどう書くか

 Markdownで記述するには、もちろん「メモ帳」でもいいのだが、もう少し高度な文章管理を行うのであればMarkdownエディタを使うべきだろう。例としては、Macでは「MacDown」や「Typora」、Windowsでは「MarkdownPad」、Webでは「StackEdit」などが知られている。

 多くのエディタは書式記号が丸見えになるプレーンテキストエディタ画面と、タイトルや太字などを実際に表示するプレビュー画面に切り替えることができる。中には、この2つの画面を同時に左右に表示できるものもある。

macOSでの定番「MacDown」ではエディタ画面とプレビュー画面が同時に見える

 だが最近はさらに活用が広がっている。ナレッジデータベース的に使えるメモツール、「Obsidian」では、ローカルの記述フォーマットがMarkdownを採用している。リンクなどを駆使した構造化やキーワード抽出が簡単だからだろう。

ObsidianのローカルフォーマットはMarkdown

 加えてAIコードエディタとして知られる「Cursor」も、いろいろなプログラム言語に対応するが、その中にMarkdownもある。つまり「Obsidian」で書いたメモをそのまま「Cursor」で開いてAIでコーディングするという流れもできる。

「Cursor」でのMarkdown記述画面

 「Cursor」では標準はMarkdown書式記号丸見え型だが、「Markdown Editor」という拡張機能があり、それをインストールするとレンダリングした状態で執筆が可能になる。ただ「Markdown Editor」上で書くと、「Cursor」の特徴であるAIのサジェスチョンが表示されないので、筆者はもっぱら表示確認のために使っている。

「Cursor」の拡張機能「Markdown Editor」での表示

 またWindowsユーザーであれば、無料で使えるMicrosoftの開発用エディタの「Visual Studio Code」を使うのもいいだろう。「Cursor」はこれをモデルに作られているので、元祖の方でもMarkdown記法に対応している。また同じく「Markdown Editor」も使える。

「Visual Studio Code」での「Markdown Editor」の表示

 ここで話が一周回るが、AIを利用したいのであれば「メモ帳」を使うのはアリだ。実は「メモ帳」もCopilotと連携できるようになったので、書いたものをAIを使って書きぶりなどが修正できる。もはや昔の「メモ帳」という立ち位置ではなくなってきているのが、昨年からの流れである。

「メモ帳」でもCopilotを使ったリライトが可能

 またMarkdownは、AIとの親和性が高いという指摘もある。人間にとっても可読性があり、文章が見出しや太字などで構造化されるため、AIによる意味的ブロックの検知にメリットがあるとされている。長文のプロンプトほど、Markdownで構造化した方が指示の取りこぼしが少ないだろう。

 まだあまり普及しているとは言い難いMarkdownだが、その利便性はすでに注目されている。「メモ帳」という一種の巨大プラットフォームに採用されたことで、また新しい局面を迎えるのかもしれない。

印刷する
SNSでシェア
SpecialPR

小寺信良のIT大作戦

ベテランのテクノロジーライターである小寺信良さんがIT分野全般にわたって考察する。

この連載の記事をもっと見る

この記事の著者

関連記事

こんなメディアも見られています

ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。

メールマガジンを配信中
メールマガジンを配信中

国内外の業界動向、AIやクラウドなどの最新技術、キャリア情報など今知りたい情報をまとめてお届けします。

いますぐご登録

本日の新着記事

アクセスランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

ITmedia NEWS SNS

X @itmedia_newsをフォロー

インフォメーション

ITmediaNEWSをフォロー

あなたにおすすめの記事PR