小寺信良のIT大作戦
Pixelに追加された「デスクトップモード」で仕事はできる? 執筆作業に使って見えた課題と将来性(1/2 ページ)
2026年3月上旬、Googleは「Pixel」シリーズ向けのアップデートで、Pixel 8シリーズ以降のモデルに対して「デスクトップモード」の提供を開始した。これはPixelのUSB出力を使ってディスプレイを接続する際に、従来型のミラーリング表示に加え、広域画面が利用できるモードが選択できるようにしたものである。
同様の機能はすでに韓Samsungの「Galaxy」シリーズの一部のモデルで提供されていた。「Android」の本家とも言えるPixelにこの機能が追加されたことで、今後他社のAndroid端末でもサポートする機運が高まるかもしれない。
今回は実際にデスクトップモードを使って、原稿が書けるレベルなのかの実用性をテストするとともに、現時点での課題と将来性について整理してみたい。
デスクトップモードの実際
今回は私物のPixel 10 Pro XLを使ってテストしている。デスクトップモードを使用するには、PixelのUSB-C端子とディスプレイを接続するわけだが、ディスプレイ側がUSB-C端子からの入力に対応していない場合、HDMIへの変換ケーブルが必要になる。今回は40型4Kテレビに接続するので、変換ケーブルを用いている。
外部ディスプレイへの設定は、Android側の「設定」-「接続設定」のところに「外部ディスプレイ」という項目ができている。ここで表示サイズやディスプレイ解像度が選択できる。Pixel 10 Pro XLの場合、最大解像度は2560×1440が最高のようだ。表示サイズはいわゆる拡大率で、9段階の設定がある。今回は真ん中の5で試用している。
外部ディスプレイを接続すると、そちらにはなにもない空のウィンドウが表示される。一方スマートフォン側は従来同様の画面が表示される。この2画面は別々に使用できる。
デスクトップ側の操作には、マウスとキーボードが必要になる。これはBluetoothで接続すればいい。モバイル用にキーボードとなんらかのポインティングデバイスが一緒になった製品もあるので、そういうものを利用すると楽だろう。
アプリはインストールしてあるAndroidアプリがそのまま立ち上がるが、デスクトップ側で起動するとスマホ側は閉じられる。つまり同じアプリが両方の画面で別々に開いているという状況にはならないということだ。
基本的に性質というかモードが異なるウィンドウ同士なので、片方の画面からドラッグして別ウィンドウへ移動ということはできない。デスクトップ側で「Chrome」を開いているときに、スマホ画面側でChromeを起動すると、デスクトップ側は閉じられ、スマホ側で起動することになる。
性質が異なる2画面とはいえ、全体としては1台の機器なので、アクティブウィンドウはどれか1つだ。つまりデスクトップでアプリでなにか文章を入力しているときにスマホ画面を触ってしまうと、そっちがアクティブになるので、入力を続けるにはデスクトップ側のアプリをもう一度クリックしてアクティブにしなければ入力ができない。
デスクトップ側でのアプリの起動は、画面下のツールバーから起動できる。スマホ画面では画面下に固定できるアプリ数は5つだが、デスクトップ側は6つのようだ。基本的にはスマホ画面で登録したアプリ+1という格好である。スマホ画面で使うアプリとデスクトップアプリで使うアプリは必然的に違ってくると思われるので、ここは別々にアプリが登録できたほうが便利だっただろう。
難点は、ウィンドウ上の表示位置やウィンドウサイズを全く記憶してくれないということである。アプリを開くたびに、そのアプリのデフォルトとして指定されているサイズと位置で毎回起動してくる。デスクトップモードは複数のアプリを自由に配置して使えるのがポイントだが、毎回ウィンドウを整理し直す必要がある。
これはそもそもAndroidアプリが、スマホにしろタブレットにしろ全画面取り切りで起動していたため、アプリ側にウィンドウ位置やサイズを記憶する機能がないのだろうと推測する。今後アプリ側のアップデートで改善されるかもしれない。
逆にもうそんな機能があるのか、というものに、仮想デスクトップがある。画面下のツールバーを上にドラッグすると、複数の仮想デスクトップが使用できる。13~14型程度のディスプレイに接続する際には便利だろう。
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小寺信良のIT大作戦
ベテランのテクノロジーライターである小寺信良さんがIT分野全般にわたって考察する。
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